世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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魅惑のイシガレイ

2018.04.12 (木)

堀江(真)

こんにちは。新年度が始まりましたね。

入園式後にアクア・トト ぎふに来てくださった園服姿の園児さんにお会いして、とても初々しい晴れやかな気分になりました。

さて、初々しいと言えば、「河口の生きもの」水槽にイシガレイが登場しました。

カレイといえば海の魚ではないか…。いえいえ、川にもいるんです。

 

おととしの初春、まだ吐く息の白い寒い時期に干潟でヒラヒラと水中を移動するものを見つけました。

最初はヒラムシか何かかな?と思ったのですが、手ですくって手の平に乗せてみると

「カレイィ!!こんなに浅いところに?」

とびっくり。周りをよくみてみると、あっちでもヒラヒラ、こっちでもヒラヒラ…。とてもたくさんいました。

これを育てて、クロダイやスズキが泳ぐ「河口の魚」水槽に入れようと思い、大事に大事に育てて、大きさが10センチを超えたぐらいで、去年の秋ごろ一度展示しました。

しかし、他の魚たちにつつかれ、継続不可能という結末に。

そこで今年は、「今の、この季節の干潟を見せたらいいんだ!」という考えにいたり、親指の爪サイズのイシガレイのまま、となりの「河口の生きもの」水槽で展示をすることにしました。

トビハゼのいるところです。

そして、その作戦は今のところうまくいっています。

見慣れればちびっこイシガレイは、わりと簡単に見つかるのですが、お客様はなかなか見つけられない様子で、水槽のそばを通りがかると、「カレイどこですか?」と頻繁に質問をいただきます。

「イシガレイが注目を浴びている!」と内心大喜びしながらお答えしている私です。

水槽の裏側で作業をしていると聞こえてくるのですが、

「イシガレイがいるんだって。え~どこだろう?」と探してくださっている方も実に多くいらっしゃいます。

イシガレイが隠れずヒラヒラ泳いでいる時は、他の生き物はそっちのけで

「あ!何かいる!イシガレイって書いてあるよ」と解説文を読んで、探してくれている方もいらっしゃいます。

 

ふしぎとイシガレイは、人を引き付ける魅力があるみたいです。

 

砂の色だし、動かないし、隠れてばかりで見えにくいし…。

苦労して展示してもお客様の満足度アップにはつながらないだろうけど、干潟のおもしろさを伝える努力はし続けよう。と思っていたので、期待以上のお客様の反応にとても浮かれている私です。

「カレイどこですか?」っていつでも聞いてくださいね。

 
 

 

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カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 堀江(真)
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