オオサンショウウオの緊急移動
2010.05.16 (日)
田上
この飼育日記でも過去に書いたことがあるのですが、
毎年、大雨で流されて、水が干上がる場所に取り残されてしまった個体など、
「どうにかしてあげてくださいー!」と連絡がきます。
このままほっといては死んでしまう場合は、職員が現地に向かい対応しています。
先日、オオサンショウウオが木曽川本流から、いずれ水がなくなる水路を遡上しようとしていると連絡が入り、
緊急で本流に移動させました。
場所は水族館から車で5分程度、ご近所です。
この水門の先の水路は水が干上がります。
これ以上のぼっていかないよう、発見者のかたがしっかりガードしています。
(でも、この網じゃすくいあげることはできませんね・・・。)
オオサンショウウオは特別天然記念物のため、通常触ったり捕まえたりすることは禁止されていますが、
こういう状況ですから仕方ありません。
教育委員会等に連絡をとり、いざ移動です。
捕まえたら、まずは大きさなどを測定します。全長109cm、立派な個体です。
研究のためマイクロチップが入れられている個体もいるので、チップの有無の確認もします。
その後、また水門に間違ってのぼらないよう、ほんの少し上流に放流しました。
元気でくらせよと声をかけつつ、そっとリリースします。
緊急移動や保護などは、喜ばしいことではないことは、十分わかっておりますが、
すぐ近くに世界最大の両生類がすんでいることを毎度実感できるのが、
ちょっとうれしいことでもあります。
カテゴリー 日本の両生類
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