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オヤニラミ水槽みてみてね

2015.12.05 (土)

堀江真

こんにちは。

気づけばもう12月ですね。忙しい年末が始まります。

アクア・トトでもクリスマスのイベントや企画展の入れ替え、

お正月水槽の準備などあわただしくなってきました。

それに加え、新年をピカピカの水槽で迎えるために、

毎日の水槽掃除にも力が入ります。

掃除のついでにちょっとレイアウトを変えたりもします。


今日は10月2日に掃除してレイアウトを変えた「吉井川の魚」コーナーの

通称「オヤニラミ水槽」をご紹介します。


オヤニラミは京都より西の本州と、四国、九州に生息する魚ですが、

人為的に放流されてしまったものが、

その他の地域でも生き延びて繁殖し、定着しています。

ここ岐阜県や、愛知県、滋賀県にもいます。

今回は、その「オヤニラミが定着してしまった場所」をヒントに、

水槽をレイアウトしてみました。


こちら、川の中の様子↓ 水深は大人の腰ぐらいです。   

2015.12.5-1.jpg2015.12.5-2.jpg

 

水際には植物が生え、水面には葉や根や茎などがゆらゆらと浮かんでいました。

展示水槽に、こんなにももっさり水草を植えると、葉っぱで排水が詰まったり、

オヤニラミが隠れて見えなくなったりするので、

ここまではできませんが、これをイメージしてレイアウトをしました。


で、できあがりがこちら↓   

2015.12.5-3.jpg

 

全然ちがう!!!

笑えるぐらい違うものができました。

ですが、「きれいになりましたねー。」「水草がいいですね。」と

お客様に言っていただけたので良しとしよう。


それから約2カ月が経過した今↓   

2015.12.5-4.jpg

 

緑色のきれいだった水草は全部ムギツク(※)に掘り返されてなくなりました。

殺風景になりましたが、水面にはごらんのとおり葉っぱが。 

2015.12.5-5.jpg

 

ゆらゆらとゆれて、葉と葉の間にオヤニラミが隠れていることもあります。

少し最初にイメージしていたものに近づきました。


オヤニラミはこういう抽水植物(根は水底の土中にあり、

葉や茎が水面から出ている植物)の茎の部分に

粘着質の卵をくっつけて産みます。

細い茎に産むからなのか、オヤニラミの卵はこんなふう↓  

2015.12.5-6.jpg

 

 2列でたて長。 

2015.12.5-7.jpg

 

オスが卵を保護します。


また、水槽内で産卵してくれるといいな。

それは来年の春のお楽しみ。

明日からも水槽の掃除やレイアウト頑張ります!

それではまた。


(※)ムギツク・・・福井県・岐阜県・三重県以西の本州、四国、九州に生息。

                   オヤニラミやドンコの産卵床に托卵する。

 



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カテゴリー  アクア・トトの生き物日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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