世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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水族館の春

2016.03.29 (火)

野口

桜も咲いて、いよいよ春って感じになってきました。

水族館の魚たちからも春を感じることができます。


春に繁殖期をむかえる魚たちで

オスの個体は、たいてい婚姻色がでてきれいな色になります。

繁殖の準備は冬の間から進めてきましたので、

その成果が試されるときがやってきたということです。

水族館の中にはたくさん水槽がありますが、

実は外にも水槽があります。   

 

2016.3.28-1.jpgこのような場所を利用して、魚の繁殖を行なっています。

 

 

少しだけ様子をのぞいてみると、 

 

2016.3.28-2.jpgこちらはイチモンジタナゴ。

 

 

なかなかきれいな色のオスです。

もっときれいな色になります。 

 

2016.3.28-3.jpgこちらは、同じイチモンジタナゴでもメスのほうです。

 

 

お腹は大きくなっていますが、産卵管の伸び具合から、

まだもうちょっとといったところでしょうか。


今度は隣にあるウシモツゴの水槽の様子をみてみましょう。  

 

2016.3.28-4.jpg

 

オスのウシモツゴですが、

まだ状態はあがりきっていないようですね。

昨年の繁殖期真っ盛りの個体と比べてみると

わかりやすいかもしれません。 

 

2016.3.28-5.jpg

 

これくらいかっこよくなります。


種類によって同じ春に産卵するものでも、

多少時期に違いがあるので、

これから順番に繁殖期をむかえていくことになります。


外の水槽はこのような感じですが、中の水槽でも春をむかえています。

 

2016.3.28-70.jpg 

 

 

 

 

2016.3.28-60.jpg 

 

 

タナゴの仲間の場合は、

このように人工授精で繁殖させることが多いです。

 

2016.3.28-8.jpg

 

ヨシノボリの仲間の場合は、

卵をうみつけやすいような基質を入れたりしています。


無事に卵をとることができたら

2016.3.28-90.jpg

 

 

 

2016.3.28-100.jpg

 

 

2016.3.28-11.jpg

 

ビーカーや浮きかごに入れたり、

時には水流をあてながら卵を管理しています。


とにかく、あの手、この手で繁殖させて卵を管理しています。

この方法が正解というのがないため、

常に観察しながら試行錯誤を繰り返しています。

このあたりも魚を繁殖させる醍醐味だと思います。


繁殖できたということは、

魚がいい状態で飼育できているという魚からの一つの答えなので、

毎年同じことをやっていても、毎年うれしい気持ちになります。


まだ、今年の繁殖ははじまったばかりなので、

進捗状況を時々お伝えしていけたらと思います。

 


 



 

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カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 野口
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