世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育日記一覧
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こっちも泥団子

2018.06.28 (木)

野口

現在、写真のような氾濫原(はんらんげん)とよばれる環境に生息する魚類の個体数が減少し、絶滅危惧種に指定されてる傾向がみられます。

当館で展示している魚類で言えば、イタセンパラやトウカイコガタスジシマドジョウ、前回のブログでご紹介したゼゼラなども該当します。

そして今回ご紹介するツチフキという魚もそうです。

これまでにツチフキをブログで紹介したことは少ないかもしれません。

ゼゼラとよく似ています。

カマツカにも似ていると思います。

ツチフキのほうがゼゼラやカマツカよりも底が泥っぽいところを好んで生息しているように思います。

このツチフキという魚は全国的にみて個体数が減少しており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧IB類に指定されています。

 

現在、水族館の裏側で飼育・繁殖に取り組んでいます。

こちらが飼育している水槽で、昨年はじめて繁殖が確認されました。

屋外の水槽なので、水温や日長の変化などは自然のままです。

水槽内に使用しているのは田んぼの土なので、ツチフキ好みの環境を再現してます。

ある日、エサをあげようと水槽内を確認したところ、泥にまみれた丸い粒々のものがパッと視界に飛び込んできました。

前回のブログで紹介したゼゼラの卵とよく似ています。

比べてみると、ツチフキの卵(左)の方がゼゼラのもの(右)より大きいです。

 

また、ツチフキの卵(左)はゼゼラのような卵塊(右)ではなく、ばらけています。

同じような感じの卵ですが、このあたりの違いは面白いです。

 

ツチフキは卵を産むために、オスが底にすり鉢状の巣を作り、そこにメスが産卵して、そのあとオスが卵を守ります。

 

その一連の過程を動画に収めたいところですが、そう簡単にはいかないので、今回はオスが卵を保護している様子をご覧ください。

 

底を耕すように土を吹いている様子、これがツチフキという名前の由来でもあるそうです。

耕すような行動が繰り返されることで、土の中から卵が掘り起こされたり、埋められたりが繰り返されています。

産卵された卵をこのまま水槽内に置いておいても育つことは昨年確認できましたが、成長過程を観察するために一部の卵を回収して育てています。

 

ゼゼラと同じように成長過程を追っていきますので、まとめてお伝えしていこうと思います。

冒頭でもお伝えしましたが、氾濫原のような変化に富んだ環境で絶滅の危機にさらされている魚類を、少しずつ、確実に飼育下で自然に繁殖できるようになってきました。

このまま前進あるのみ。

 

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カテゴリー  日本淡水魚
キーワード 野口
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