愛称について

平成15年度、全国公募で5,000点近くの応募の中から、大垣市の小学4年生(当時)の作品が最優秀作品として選ばれました。
「アクア」は、水の意味。「トト」は、小さな子供の魚の呼称。“覚えやすく親しみやすいように”との想いが込められています。
水族館の展示規模
| 階段 | 4階建て |
| 延床面積 | 約8,480㎡ |
| 魚類、両生類などの展示 | 約220種 20,000点 |
| 植物の展示 | 約30種 2,000点 |
水族館の特徴
淡水魚水族館としては世界最大級。
「木曽三川・長良川の源流から河口までと世界の淡水魚」をテーマに、自然環境を再現した館内展示です。

●淡水生物飼育展示種類は世界有数であり、国内外に誇れる世界最大級の淡水魚水族館です。
●⽣き物のガイドや体験学習プログラムなど、館内の企画やイベントも充実しています。
●全館バリアフリーとなっておりますので、車イスの方でもゆっくり展示を楽しんでいただけます。
アクア・トト ぎふ 舞台裏の取り組み
水族館は、生き物たちの営みによって支えられている施設に他なりません。
地球には多様な生命が存在しています。自然環境を守り、多様な命が豊かに暮らせるよう、生き物たちから受けている恩恵を社会に還元していくことも私たちに課せられた大きな使命であり、大切な役割でもあります。
地球と地域の環境の未来は、そこに生きる生物や私たち自身の未来です。
アクア・トト ぎふで生き物たちがいきいきと暮らす姿をお客様にご覧いただく中で、その存在を知り、興味をもっていただくことが、環境と生態系を守るきっかけ作りになる。それこそが、私たちの役割を果たすための第一歩であると考えています。
そのために、生き物たちを展示飼育している舞台裏では、さまざまな取り組みに挑戦し、試行錯誤を続けています。ここではその一部をご紹介いたします。
展示スペースやバックヤードでは、たくさんの生き物を育てています。
しかし野生下での生態情報が少ないものも多く、常に飼育方法の検討や模索を続け、少しでも快適に過ごせるようにはどうしたら良いのかを日々考えています。課題が見つかれば原因を探り、試行錯誤をしながら経験を積み重ね、継続していくことで見えてくるものがあります。
約1年近い絶食が明らかに メコンオオナマズ

2004年の開館以来、個体ごとに毎日観察を続けている魚のひとつです。
日々の観察の積み重ねから、長期にわたる絶食が確認されました。約13年間にわたり摂餌量を毎日追跡し、摂餌周期と絶食期間について分析した結果、摂餌周期(年周期)とその周期性の経時変動が明らかになりました。
摂餌期および絶食期の周期はメコンオオナマズが生息するメコン川の乾季と雨季に一致し、これは本種の餌資源である藻類の増減に対応していると考えられました。さらに、メコンナマズが約1年にもおよぶ長期の絶食状態に耐える生理的能力を持っていることが示されました。この研究はメコンオオナマズ学術調査委員会のもとで進められ、その成果は論文として公開されています。
メコンオオナマズは野生での生態等については未解明な部分が多いにもかかわらず絶滅に瀕しているため、飼育下においてその生態等を研究し、種の保存に寄与することを目的とし、岐阜県は研究機関等によるメコンオオナマズ学術調査委員会を設置しています。委員会は毎年開催されており、飼育状況の報告や専門家からの情報提供、今後の飼育・研究方針の長期的な展望についても活発な議論がなされています。
継続的な繁殖

当館では、水槽展示するために野生個体を採集することは最小限に留め、できるだけ自然に負荷をかけないように、多くの生き物の継続的な繁殖に取り組んでいます。計画的に繁殖を行うことで、館内の展示を絶やすことなく、卵や稚魚の様子など、多くのお客様に生き物のことを深く知っていただくことができます。
フィールドに出て、その生き物が見られる時期や生息環境を知ることで、水槽の中にもその環境を再現し、繁殖に繋げることができた種や、効率的に人工授精を進めている種もいます。
例)イタセンパラ、ハリヨ、ウシモツゴ、シロヒレタビラ、ヤマトサンショウウオなど
日々の飼育や研究から得られた情報は、通常の常設展示ではもちろんのこと、特別展やイベントなどを通じて、お客様にお知らせしています。
岐阜県の希少生物の展示

水族館のある岐阜県だけでも、数多くの生き物が絶滅の危機に瀕しています。
普段なかなか見かけることがないその姿を実際にご覧いただき、少しでも身近に感じていただくため、県レッドリスト掲載種を選別し展示しています。
プログラムや解説

生き物の生態やどんな場所に生息しているのかなど、体験を通じて学びを得るプログラム「アクア・スクール」や、学校団体向けのレクチャー、飼育スタッフやボランティアスタッフによる館内での生き物の解説などを行っています。
特別展やトピック水槽

繁殖に取り組んだ稚魚の展示や、地元地域で確認された外来生物など、常設展示だけでは紹介できない内容を、期間限定で展示しています。
地元地域の子どもたちへ
2026年度は地元各務原市の小学1年生に、岐阜の生き物を紹介する下敷きのプレゼントを行いました。また、1歳6か月検診時に水族館の生き物のシールをプレゼントするなどの取り組みを行っています。小さなころから生き物に興味を持っていただきたいという思いで始まった取り組みです。
絶滅が心配される生き物の保全活動には、行政などの関連機関と共に活動に参画しています。この活動内容は全国の水族館の中でも特筆すべき点で、開館以来注力して取り組んでいます。
濃尾平野では絶滅したと考えられていたイタセンパラ

イタセンパラは国の天然記念物・国内希少野生動物種であるコイ科の淡水魚です。濃尾平野を含む3つの地域でしか生息が確認されておらず、環境省のレッドリストでは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い、絶滅危惧ⅠA類に指定されています。かつては濃尾平野の多くの場所で見られましたが、生息地の減少や外来魚の侵入などにより生息数が激減、濃尾平野の個体群は絶滅したと考えられていました。
しかし、2005 年に当館のスタッフが木曽川のワンドに僅かながら生息をしていることを確認したことから、各機関に呼びかけ、現在では環境省・国土交通省を中心に、県水産研究所や水族館・動物園と協同で、様々な保全事業が実施されています。
当館では、2010年以降、イタセンパラの生息域外保全として、施設内での繁殖に取り組み、最終手段として野生復帰(放流)ができるよう、遺伝的多様性の維持や、人慣れしてしまわないように飼育方法を工夫するなど、野生個体に万が一のことがあった場合に備えています。
また、展示や普及活動に努め、毎年秋には春に繁殖した個体の一部を展示しています。

木曽川水系イタセンパラ保護協議会において野生復帰(試験導入)について継続的に議論され、2025年7月下旬、9月上旬に、2018年以来2度目となる木曽川への試験導入が実施されました。現地パトロールや仔稚魚の出現状況等の調査を実施し、導入後の評価が行われます。
野生生息地はわずか数か所のウシモツゴ

ウシモツゴは岐阜県、愛知県、三重県に分布する東海地方の固有種で、現在ではいくつかのため池や水路のみに生息しており、絶滅が心配されています。
岐阜県内においても野生生息地はほとんど残されておらず、数少ない生息地である美濃地方(美濃市、関市)では、「ウシモツゴを守る会」が中心となって保全活動を進めています。この会は、野生復帰と生息環境の復元を目的としており、アクア・トト ぎふ、岐阜県水産研究所、岐阜・美濃生態系研究会、NPO法人ふるさと自然再生研究会、美濃市、関市、岐阜県博物館が連携し、地元住民や小中学校、高等学校の協力を得ながら活動をしています。
岐阜市で2009~2013年に行われた魚類調査によると、岐阜市内の野生下ではウシモツゴは見つからず、個人宅の庭池で奇跡的に生き残ったものだけが確認されています。「岐阜市版レッドリスト・ブルーリスト2015」では野生絶滅とされています。この岐阜市のウシモツゴは美濃市や関市のウシモツゴとは遺伝子レベルでわずかに違いがあることがわかっています。当館では研究者と協力して、2019年よりこの岐阜市産のウシモツゴの系統保全に取り組んでいます。
水辺の清掃活動

フィールドに出ることが多い飼育スタッフは、ゴミの多さを目の当たりにしています。自分たちが見守っていきたいフィールドで、水辺の生き物にとって役に立つ水族館でありたいという思いから、2024年より「水辺の清掃活動~みんなの川を未来へ」を始動しました。
生き物がすむ環境を少しでもきれいにできるよう、取り組んでいます。
国内初の希少種保全水族館に認定
アクア・トト ぎふではオープンからこれまで、ウシモツゴやイタセンパラ、ネコギギなど地域の絶滅危惧種の保全活動を地道に進めてきました。その取組を申請して認められ、平成30年9月に環境大臣より制度初の「希少種保全水族館」に認定されました。
※認定希少種保全動植物園等制度とは
環境省の平成29年の種の保存法改正によって創設され、平成30年6月1日に開始されました。本制度は、希少種の保護増殖に関し、一定の基準を満たす水族館や動物園を環境大臣が認定する制度です。
環境大臣賞を受賞

令和3年5月にアクア・トト ぎふでは、令和3年度野生生物保護功労者表彰、環境大臣賞を受賞いたしました。
これは、野生生物保護に関し特に顕著な功績のあった個人、学校及び団体に対し、その功績をたたえるために実施されています。
SDGsに関する基本的な考え方
水族館は、水の環境とそこに生きる生物達をご覧いただくことを通して、環境や生命の多様性を訴え、人々の生活に潤いを与え、そして、未来の地球環境を考えるきっかけとなることを目指して展示活動を続けています。水の環境とそこに生きる命をメッセージとしてお見せすることができるのが水族館という施設です。
- 水の存在により地球に多様な生命が存在している事を認識し、地域の水環境と生態系を守ることの大切さを知るきっかけを作る
- 地球と地域の環境の未来は、そこに生きる生物や私達自身の未来だということを伝える
※SDGs 持続可能な開発目標=開発によって何かを失うのではなく、未来に繋げる開発を進めるための目標
世界淡水魚園水族館「アクア・トト ぎふ」が取り組むSDGsは

SDGs14と15では海の豊かさと陸の豊かさを守ることをそれぞれに訴えています。
地球の環境は、水が海から空へと広がり、陸となる森林に降り注ぎ、河川となり再び海へと続く水の循環により保たれていること、そして、その環境とそこに生きる多様な命の大切さを伝えています。
情報誌「Fresh! Water」

アクア・トト ぎふが発行する情報誌をご覧いただけます。
毎月開催されているイベントのご案内やレポート、生き物たちの豆知識など、アクア・トト ぎふならではの情報をみなさまにお届けします。
バックナンバー