世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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高揚感

2017.12.01 (金)

野口
こんにちは。

皆さんはどんな魚がお好きでしょうか?

色々あるかと思いますが、私はこのシマドジョウ類が好きです。



この魚を採集するときは、川の中流からやや上流あたりに

行くわけですが、捕まえるには少しコツがあります。

シマドジョウ類は、このような

少し流れが緩やかで、砂が堆積してるような場所にいます。



砂のなかに潜ったりしているので、

この砂ごとすくいあげるようなイメージでガサガサするとうまく採れます。

網の中をのぞいてみると、砂の中から力強く現れるこの瞬間がたまりません。

そして、水もきれいで冷たいので清々しい気持ちになります。

魚の体も、その水にふさわしいきれいな体をしているように思います。



先日、これらのシマドジョウ類よりも上流に生息する

アジメドジョウを採りにいく機会がありました。



アジメドジョウは岐阜県では比較的多く見かける魚で、

郷土料理にも使われたりするほど味が良い魚としても知られています。






このアジメドジョウは、太平洋側の個体と日本海側の個体で

体の大きさや模様に違いがあるようです。

太平洋側の個体は岐阜県で何度も採ったことがあり、

水族館でも展示しているので見慣れていますが、

今回初めて日本海側の個体を採ったときには正直驚きました。

実際に生でみると全然違いました。




日本海側のものは大きくて、太い。

模様もより細やかな印象をうけました。

上が太平洋側の個体、下が日本海側の個体です。





もちろん、同じ生息地においても個体ごとにわずかな差はあったりしますが、

ここまでの差はないように思います。




同じ種であっても地域によって体の模様や大きさ、

婚姻色など色々な違いがあることは、多くの種において知られています。

例えば、タナゴの仲間であるアブラボテ。





上の写真が九州でみたアブラボテ、

下の写真が東海地方でみたアブラボテです。

これもまた色々な違いがあるのがお分かりいただけるでしょうか。




その場所でしかみることができないもの、

それはまさにその土地の宝物であるように感じます。

その場所で見てこそ本当の価値があるのでしょう。



これからも色々な魚との出会いを通じて、

その素晴らしさを感じることができる感覚をもっと養っていきたいものです。

 

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カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 野口
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