<サンショウウオ日記 vol.14>アベサンショウウオ
2010.08.07 (土)
ようやく岐阜県に生息する6種の紹介が終わりました。
今回からは、日本各地にいるサンショウウオをご紹介します。
1発目はコチラ。
アベサンショウウオです。
このアベサンショウウオは小型サンショウウオで唯一、「種の保存法」で捕獲等が禁止されています。
今回のサンショウウオ展を企画するにあたり、このアベサンショウウオは規制が厳しいため、
生体の展示はちょっと無理だろうと思っていました。
しかしながら、数年前、福井県越前市で行われた「アベサンショウウオネットワーク会議」に参加した際、
アベサンショウウオ保全活動に感銘を受け、保全という切り口からでも紹介できればと考えていました。
今回、その情報収集のため、大変お世話になったのが、福井県両生爬虫類研究会会長、
(環)希少野生動植物種保存推進員の長谷川巌さんです。
お忙しい中、生息地など現地案内していただき、これまでの活動成果などについての資料もこころよく提供していただきました。
実際、アベサンショウウオが暮らす場所を目にして驚いたのは、人の生活圏と本当に近いことです。
民家の裏庭で繁殖していたりするものですから、ちょっと衝撃的でした。
また、人それぞれ、いろんな立場の方がおられます。そういった保全活動の難しさについても思い知らされました。
その後、展示準備を進めていくうちに、なんと幸運にもアベサンショウウオの捕獲・展示許可がおりました。
これは当館にやってきた若いメス個体です。
繁殖期は終わっており、時期的に微妙でしたが、なんとか発見できました・・・・。
(どうでもよいことですが、見つけたのは私ではありません。でも、こういうのって結構後引くくやしさです・・・)
今回のアベサンショウウオの展示が、サンショウウオと暮らしていくための「理解」につながるものとなれば、本当にうれしいことです。
同時に、飼育下繁殖方法の確立めざして、取り組んでいきます。皆さんにも良い結果を伝えられるよう、頑張っていきたいと思います。