ミミクリーシリーズ第8弾
2011.02.18 (金)
さてさて、新幹線ネタをもうひとつ・・・。
今回の特別企画展示物の中で、一番の注目度です!
それは、・・・
これです。
フクロウの後方に、なにやらオーラを放つ金属物体が目を引きます。
実は、500系新幹線のパンタグラフ(集電装置)なのです。
つまり、新幹線が走るために架線から電気を得る部分。
ここにもバイオミミクリーが活かされています。
新幹線は、ご存じのとおり高速で走行しますが、
その際、パンタグラフ周辺はその構造により大きな空力音を発生していました。
空力音は、空気の流れの中に発生する渦により発生する音です。
この渦は「カルマン渦」と呼ばれ、
在来型のパンタグラフは大きな渦を発生させていました。
そこで、この問題を解消するべく開発陣は、フクロウに着目しました。
フクロウは、夜間、餌となる動物を捕えるために、音を立てずに飛翔することができます。
これは、風切羽の縁がギザギザのノコギリ状になっていることや、
羽表面が繊毛状になっていることで、翼後方の空気の流れを整えているのです。
ギザギザの部分を空気が通過すると、
カルマン渦は小さくなります。
『カルマン渦が小さい=発生する音が小さい』
ということになり、
結果、音を出さずに飛べるという仕組みです。
このフクロウの風切羽を参考に、まずパンタグラフを翼状にしシンプルな構造にし、
さらに支柱側面にノコギリ状の突起を多数つけることで、整流効果を生みだしたのです。
この技術を「ボルティックス・ジェネレーター」と呼び、 少し「ここ」がずれてしまっていますが、分かりますか? (残念ながら、現在では新型パンタグラフに取り換えられていて、実搭載はされていません。) こちらも、前回と同様、大阪の交通科学博物館、 ならびに岐阜県博物館のご協力により展示することができました。 また、フクロウの風切羽をご提供いただきました長野市茶臼山動物園様には、 この場をお借りして御礼申し上げます。 いやはや新幹線マニアになりそうだ・・・
航空機の翼やレーシングカーなどにも応用されています。
わたしの大好きなクルマの一つである
ラン○ボのルーフエンドにもついてるんです♡
見た感じ、ホントに小さな突起が並んでいるだけなんですが、
高速走行時には大きな効果を生み出すんですね・・・。