世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

エボシカメレオン飼育奮闘日誌~特別展「生物のふしぎな能力」より~

2011.11.29 (火)

嶋津

こんにちは!


秋季特別展「生物のふしぎな能力展」も終盤です!

今回の特別展の双璧の主役

(個人的にはもう1種ミミックオクトパスだと思っています)である

「エボシカメレオン」を紹介したいと思います!

staff_20111121.jpg.jpg




 

 

 

 


「カメレオン」と言うとおそらく…

「伸びる舌」 「バラバラに動く目」 「体色変化」などを

想像するのではないでしょうか?


不思議な能力を持ったカメレオン…

個人的には興味深く飼育をするのは面白いですが、

意外に世話が大変です…


今日はその苦労話を一つ…

展示している個体は餌用のコオロギを1日平均で約8匹くらい食べます。

餌をやる時は、カメレオンを驚かさないように

必ず「下」からピンセットで与えます。

「上」から餌を与えると「敵」だと勘違いして、

驚いて餌を食べてくれなくなる時もあります。

カメレオンの仲間は代謝が速いので毎日の給餌が欠かせません。


水を飲ませるのも工夫が必要です。

基本的にはカメレオンの仲間は

水を容器に入れて置くだけでは水を飲んでくれません。

自然界では木の枝や葉っぱに付いた水が「雫」となって、

落ちる様子を見て初めて「水」と認識します。

飼育下では、ケージの上からチューブで水がポタポタと落ちるようにしています。


カメレオンの仲間は主にアフリカ大陸やマダガスカル島に生息しています。

日本とは環境条件が全く異なるので、

カメレオンに合うように条件を合わせなければなりません。

加湿器を設置して適度に湿度を保ちます。

体を温める為のスポットライトや健康を維持する為の紫外線も欠かせません。

飼育環境が合わなければ、すぐに調子を崩してしまいます…


「特展の期間中無事に展示出来るだろうか?」

これが正直な気持ちでした。


しかし、最近は飼育環境に慣れてきましたので、

少し安心しております!観察していると

「人間のような」一面もあるので、とても面白い生物です!

餌を食べる時にガツガツしすぎて、枝を踏み外して落ちそうになったり、

移動の時には細い枝を間違えて掴んで落ちそうになることもあります。

驚いた時や警戒している時には露骨に体色も変化しますし、

世話をする時に手を入れると体は動かさないで、

「目」だけ動かしてこちらの様子をじっと観察しています。


特別展期間中の限定展示ですので、皆さん是非見に来て下さいね!

 


 


 

 

 

 

 

記事URLを表示

カテゴリー  企画展・特別展示
キーワード 嶋津
前のページへ次のページへ
カテゴリ
バックナンバー