魚を上手に飼う為のコツ① ~「ろ過槽」の準備出来ていますか?~
2012.04.27 (金)
こんにちは!
今年の1月に書いた「魚を飼う前にやるべきこと」の続編になります。
少々長くなりますが、最後まで読んで飼育に役立て頂ければ幸いです!
館内を巡回をしていると、こんな会話がよくあります。
お客様) 「水槽の水が何でこんなにキレイなの?」
「何か特別な事をしているの?」
私) 「ろ過槽があるからですよ」
お客様) 「ろ過槽 ・・・・・?」
ここで話が止まる事がよくあります。
そこで
実際に水をキレイにするためのろ過槽の説明と働きについて話すと
「ああ!あれね!」 と、納得されるお客様もいれば
「うーん…」 と、いまいち「イメージ」が浮かばないお客様もいらっしゃいます。
また電話でも
「魚を上手に飼育する事が出来ない。 どうしたらいいですか?」
という飼育相談をよく受けますが、
私の体験上ほぼ
9割 が ろ過槽 に
何らかの問題がある飼育方法が多いです。
というわけで、
今回は具体的にろ過槽の話をしたいと思います!
←左の写真に見覚えありませんか?
学校や家で金魚やメダカを飼った事がある人なら、見覚えがあると思います。
これも立派なろ過槽の1種類で投げ込み式タイプと呼ばれています。
30cmくらいの小さな水槽(水量約10ℓ)でメダカや金魚を数匹で飼う分には、
これくらいの小さなろ過槽で充分です。
ろ過槽の働きには2つあります。
1つはゴミを取り除く機能、
もう1つは難しい用語で生物化学的ろ過機能です。
家庭用も、水族館用も基本は同じで
共通して砂利やスポンジなどのろ過材が入っています。
ここでは、第二の機能
生物化学的ろ過の基本についてお話ししましょう。
ろ過材の中には私たちの目には見えないろ過細菌(バクテリア)
と呼ばれる微生物が、日々活躍しています!
では、ろ過槽がある場合と無い場合では
水槽の中でどんな事が起きているのか考えてみましょう!
魚も私たち人間と同じように
物を食べればフンやオシッコをします。
人間の場合はトイレがあるからいいですが、魚の場合はどうでしょう?
もちろん水槽の中にトイレは無いので、水槽内で排泄を行います。
では、フンやオシッコの「素」は何でしょう?
言わずと知れたアンモニアです。もちろん有害物質です。
魚はアンモニアを直接水中に排泄します。
ろ過槽が充分に機能していれば
アンモニア→亜硝酸→硝酸という具合で
ろ過細菌によって、比較的害の少ない物質に分解されていきます。
逆にろ過槽が無ければ
アンモニアは分解されず水中に残ったままで、
魚たちにとっては非常にダメージが大きくなります。
というわけでろ過槽は
魚を飼育する上で必ず必要となります。
魚を飼育する最低2週間~1ヶ月くらい前から、水槽内で
ろ過槽を運転させて、ろ過細菌を増やした上で、
少量の魚を入れて様子を見て、
問題無ければ
計画的に追加した方が安全です。
しかし、
最近は魚の購入と同時にろ過槽を設置して
失敗する傾向も多いのも事実です。
その解決策として
1・市販のろ過細菌(バクテリア)を使用する
2・知り合いなどから、ろ過細菌の付いた砂をもらってくる
が挙げられます。
こうすれば、比較的直ぐにろ過槽が機能します。
また、
ろ過能力以上に魚を過密に飼育すれば、ろ過槽は正常に働きません。
現在、魚を飼育してて上手く飼育出来ていない人も
魚の数やろ過槽を見直して、
水槽や魚の数のバランスに合ったものにろ過槽を改善すれば、
比較的上手に行くはずです。
ろ過槽がしっかり働いていれば
水が白く濁る事もありませんし、
ろ過の仕組みをきちんと理解すれば
必ず飛躍的に飼育技術が上がるはず! です。
最後に、ろ過細菌も酸素を呼吸します。
エアーポンプとエアーストーンなどを用意して、
酸素が豊富な水で飼育することもキーポイントです。
今日からワンランクアップの飼育法を始めてみませんか?