ライのまぶたがはれた日
2012.08.28 (火)
こんにちは。
8月28日、環境省がニホンカワウソを「絶滅種」に指定しました。
昭和54年に最後の1頭が目撃され、
30年以上経過して「絶滅」とみなされたのです。
日々、コツメカワウソと接しながら、
こんなに表情豊かで、家族思いで、すばしっこい生き物を、
なぜ人は、絶滅においやるほど、殺すことができたのだろう?
と疑問に思ってしまいます。
それは、簡単にいえば、現代と当時の違いなのだとは思います。
現代しか知らない私が、過去の出来事について言及することはできませんが、
今後、同じことが繰り返されないように、動物を扱う者として、
来館してくださる方々に、何を、どうやって伝えるのか
慎重に考えていきたいと思います。
さて、
今日はコツメカワウソについて書きます。(全然関係のない話です。)
先日、「ライ」の左まぶたがはれていました。
班内のメンバーに伝達します。 「たかがまぶたがはれたぐらいで…」とはなりません。 なにか深刻な病気の予兆の可能性もありますから、慎重に対応します。 「程度は?行動は?痛がる?気にしてる?写真撮っといて。」 だいたいこんな感じの会話になり、写真をとったら獣医に相談します。 余談ですが、カワウソの写真撮るのは大変です。 めっちゃめちゃ動き回ってますから(笑)
ご覧のように、左のまぶたがはれています。 診断の結果、原因は分かりませんが、 抗生剤と消炎酵素剤の2種類の薬を3日間、 エサに混ぜて与える処方になりました。 捕まえて触診したり、外科的処置を行うことになる場合もありますが、 できればやりたくない。 ふだんの行動をいつも以上によく観察します。
そういう時は、第一発見者がすみやかに
それは動物にとって大きなストレスとなってしまいますから、
したがって、小さな変化も見逃さないように、エサの食べっぷりや
行動に異常はないか?いつもと変わらないか?まぶたを気にしたりはしないか?
ドアのまどからそーっと観察していたのですが…、
見つかってしまい、逆に観察されました。
「なにしてんの?」
「ねーなにしてんの?」
「ねーなにしてんの?ってば!」
好奇心旺盛!いつもと変わらず元気なライです。
これなら深刻な事態にはならずにすみそうだなー。
そして5日目、まぶたのはれは、すっかりきれいに治りました♪
関係ありませんが、コツメカワウソの足跡です。
まずは、どんな生き物でも精一杯生きていること、
そして、生き物は尊敬に値するものであること。
そのふたつを、アクア・トトで直感してもらえるように、
展示を作っていきたいです。