渓流展ブログ5 「渓流魚」
2013.01.14 (月)
みなさんこんにちは。
渓流展も開催から1ヶ月が過ぎ、色々と変化もありました。
そんな中、今日は「渓流魚」について書いてみたいと思います。
渓流にすむ魚と言えば、アマゴやヤマメ、ニッコウイワナやヤマトイワナなどの
いわゆるサケ科の魚たちが良く知られていますね。
これらサケの仲間は主に水の冷たい環境でなくては生きていけません。
渓流域では、夏場でも川岸にある森(渓畔林)によって日射が遮られ、水温が低く保たれており、
そのため日本の本州では、
河川上流の一年を通して水温の低い渓流域がアマゴやイワナの
主な生息場所となっています。
他にも森は、渓流魚の餌となるような落下昆虫や、水生昆虫の餌となる落ち葉も供給し、
大きく育った水生昆虫は渓流魚の大切な餌ともなります。
まさに森がないと渓流魚も生きてはいけないのです。
またアマゴやヤマメの一部は海に下り、大きくなって産卵のために
上流域へ遡ってくるという回遊生態を持っています。
川の上流から海までつながっていないとこのような回遊は遮断されてしまい、
その生態系を維持出来ないのです。
次に習性について少し。
渓流魚のすむ川の上流は水が透き通り、良く見渡せます。
そのため渓流魚たちも、目を良く使い、餌を追います。
水面に落ちてきた餌には瞬時に反応し、物陰から一気に水面へとび出してきます。
では今回は、アマゴの頭をご紹介しましょう。
まずは上から
そしてこちらを開くと、このように魚の脳が見えてきました。
アマゴなどのサケ科の特徴としては、目を使い獲物を捕えるので、
視蓋という視覚に係わる部位が脳の中でも発達しています。
脳の形を見るとその魚の生態を良く反映していることが分かります。
本当は他にナマズの脳などと比べられると良いのですが、
写真を持っていませんので、またご紹介出来ると良いですね。
このようにアマゴなどの渓流魚は目を使い獲物を追う習性があるので、
毛バリやルアーなどで釣ることが出来るのですね。
そして今回特別展では、アマゴの受精卵を展示しておりました。
アマゴは秋になると産卵をし、二ヶ月程した冬に孵化が始まります。
アマゴは見たことあっても、受精卵や孵化した仔魚を見る機会は少ないのではないでしょうか。
特別展で展示していました受精卵も12月下旬に孵化が始まりました。
日々成長をする姿、この機会にぜひご覧下さい。
特別企画展「渓流 命の旅のはじまり」は3月10日(日)まで開催しております。
長々とお付き合いありがとうございました!