渓流展ブログ10「水生昆虫」
2013.02.15 (金)
こんにちは。真田です。
みなさん、水生昆虫を捕まえたことがありますか?
私がカワイイ子どもだった頃、住宅地の一角に、水道管が漏れていたのか
いつも水浸しになっている空き地がありました。
そこには、ゲンゴロウやタイコウチ、ミズカマキリなどがすんでいて
毎日のように、友達と水生昆虫を捕まえに行った覚えがあります。
今、思えば、この場所は「ビオトープ」
(ここでは、水溜りなど、人工的につくられた生物の生息空間をさします)
のさきがけだったように思います。
さてさて、これらは「止水性」の水生昆虫ですが、
今回、ご紹介したいのは、流れのある場所にすむ「流水性」の水生昆虫です。
そお、流れの速い渓流をはじめ、河川には、たくさんの流水性の水生昆虫がすんでいます。
この仲間には、主に3つのグループがよく知られています。
まずは、カゲロウ類。
平らな体と、2本から3本ある尾が特徴です。
写真は幼虫ですが、成虫になると口がなくなるため、何も食べれません。
・・・私はカゲロウになれそうもありません。
つぎに、カワゲラ類。
マダラ模様で強そうですね。
脇のあたりを見ると毛が生えています。
これはワキ毛ではなく、エラなんですよ。
そして、トビケラ類。
イモムシみたいですね。
写真はヒゲナガカワトビケラとう種で
小さな石をくっつけて、巣を作ります。
さて、これらの水生昆虫、
実は、河川の環境について、メッセージを私たちに伝えてくれます。
岐阜県の方なら「カワゲラウォッチング」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんね。
川にすんでいる虫を調べることで、川の環境や水質の状態を知ろうという活動です。
カワゲラ類の多くの種類は、水のキレイなところにすんでいるので、
この虫が採集されれば、川の水はキレイという指標になります。
また、カワゲラの多くは肉食なので、その場所には
他の水生昆虫も多くすんでいることが分かります。
その他に、トビケラ類の中には、携巣(けいそう)型といって
砂利や砂を使って、巣を作る種類がいます。
こちらの写真は、ヤマトビケラが小石でつくった巣です。
このような種が採集されれば、川に砂や小石が正常に流れている状態であることや
その場所は、砂などがたまりやすい、緩やかな流れてあることが分かります。
川の環境を調べるには、パックテストなどの化学分析で水質を調べる方法もあります。
ただ、この方法では、水を採集した一瞬の状態しか知ることができません。
一方、水生昆虫は数ヶ月から数年間、その川にすんでいるので、
もう少し長い時間の状態を知ることができます。
水生昆虫って、エライ!