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おもしろ飼育コラム一覧
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2種類の毒

2013.10.16 (水)

堀江(真)

こんにちは。

先日、本巣市根尾あたりで車を運転していたら、

車と並行してニョロニョロっと進んでるやつが。

降りて確かめると、ヤマカガシでした。

 

10.16-1.jpg        (※ 頭部は写真右側です)

 

 10.16-2.jpg

        (※ 頭部は写真手前です) 

 

どちらの写真もいまいちでスミマセン m(_ _;)m

頸部(首)が黄色くて、

体には赤と黒の斑紋があるのが特徴です。

このヤマカガシは毒のあるヘビです。

そして、わりと身近でよく出会うヘビです。

だから、特徴を覚えておいたほうがよろしいかと。

 

毒について少し説明しますと、

ヤマカガシの毒腺は、頸部(首)と、

上あごの奥の2か所にあり、

それぞれの毒腺から、ちがう種類の毒が出されます。

ということは、なんと2種類の毒をもっているってわけです。

 

頸部の方はブフォトキシンという毒で、

もともとはヒキガエルが持っている毒です。

ヤマカガシは、ヒキガエルを好んで食べるらしいのですが、

食べる際、ヒキガエルが身を守るために出した毒を、

自分の毒腺にためておきます。

そして、いざという時に使うのです。

なのでヒキガエルの分布状況によって、

ヤマカガシの持つ毒の濃度や、

化学組成に違いがあることが分かっています。

 

いや~、ものすごい特殊機能ですよね。

実に効率的で頭が下がります。

 

もうひとつ、上あごにあるほうの毒は、猛毒です。

「噛まれた直後は大したことはないが、

じわじわと血小板を破壊するので、血が固まらず、

やがてあらゆるところから出血する。」

と本には書いてありました。

ただし、よっぽど深く、長時間噛まれない限り、

毒は注入されず大丈夫なんだそうです。

それに、ヤマカガシはこちらから手を出さない限り、

噛んで来ることはほとんどありません。

ヤマカガシの研究してる方たちも、

ガンガン手で捕まえて調査してるようですし…。

(でも、やっぱり素人が真似しないほうがいいですね。やめときましょ。) 

 

さて、今回出会ったヤマカガシも、特に攻撃するようなことはなく、

首をグーンと持ち上げて、壁をよじ登り、

森の中へ帰って行きました。

10.16-3.jpg

もう秋だし、来年の春まで見おさめかな。

 

では、わたくしも、このへんで…。

さよならー。

 

  



  

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カテゴリー  アクア・トトの生き物
キーワード 堀江(真)
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