世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

イモリもりもり「イモリ」展~卵・幼生・幼体の展示~

2014.04.08 (火)

田上

皆様こんにちは。

イモリもりもりイモリ展日記、その2です。


イモリ展が開催されている特別展スペースの半分は、

皆さんおなじみアカハライモリについて解説しています。

岐阜県内でも山際の水路や田んぼを覗くと、

数が減ってきているとはいえ、

まだまだたくさん観察することができます。

捕まえたことある方も多いのではないでしょうか。


ところで。

アカハライモリの卵や幼生(オタマジャクシ)ってみたことありますか?


さらに。

変態後の幼体ってみたことありますか?


普通、目にするのは成体、いわゆるおとなの個体です。

幼体は水の中にはいないので、なかなか見ることはできません。


ということで、

2014.4.8-1.jpg

 

卵・幼生・幼体、すべて展示しました!

(右:卵と幼生、左:幼体)


企画展は6月30日まで開催する予定です。

長期間にわたる展示を継続する上で、一番やっかいなのは「卵」。

予備水槽や展示水槽内でポコポコうんでくれているのですが、

ほかの個体が食べてしまうこともよくあります。

また、突然うまなくなっても困るので、裏ではこんなこともやりました。

2014.4.8-2.jpg

 

ホルモン注射。

麻酔をかけて注射して、二日くらい待つと産卵します。

アカハライモリのメスは精子を体内で蓄えているので、

これでばっちり受精卵を得ることができます。

(※注射されたメスも元気にしてますよ)

でも、一度にたくさんの卵を得ても、

全部同じように発生がすすむのでは、意味がありません。

一気にフ化してしまいますから。


では、どのように発生段階をずらし、展示を続けているのか…。

今回は、思い切ってその秘密を公開いたしましょう。

こちらをご覧ください。





2014.4.8-3.jpg

 

冷蔵庫

すごいひっぱりましたが、エサを保管するただの冷蔵庫でしたー。


リンゴの上に目を向けると、怪しい容器がこっそりと収容されています。

2014.4.8-4.jpg

 

2014.4.8-5.jpg

 

容器の中ではこの通り、

冷やされた卵が非常にゆっくりと発生を続けています。

発生のスピードは温度で大きく変わってきますので、

これでフ化の時期をずらしているわけです。


このようにして展示をつないでいるよ、というお話でした。


 


記事URLを表示

カテゴリー  企画展・特別展示
キーワード 田上
前のページへ次のページへ
カテゴリ
バックナンバー