世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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口から赤ちゃん

2014.05.24 (土)

須田

こんにちは!

5月も後半に差し掛かりましたが…

今回は先月展示した4月マンスリー水槽のおはなしです。


4月マンスリー水槽では

「春の小川の生き物たち」ということで、

春の風景にちなんだ魚たちを展示しました。

2014.5.22-1.jpg

 

そのなかでのこの水槽!

2014.5.22-2.jpg

 

小川のほとりに咲く、タンポポをイメージして選んだのは、

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ラピドクロミス・カエルレウスという、

アフリカのマラウィ湖に生息するシクリッドのなかまです。

 

この魚は、メスが卵を口の中で育て、

稚魚になるまで保護するという面白い生態を持っています。

それについて解説板にも紹介していたのですが…


なんと!

展示期間中に卵を持ってくれたんです!

  

2014.5.22-4.jpg

よく見ると、あごの部分がこんもりしているのが分かります。


 2014.5.22-5.jpg

展示水槽には ↑ このようなステッカーを貼り、紹介させて頂きました!

4月が終わるころには、

4匹のメスが卵をくわえていました。


さてさて、4月の展示期間も終わり、

裏の予備水槽に移動してもらったカエルレウスたち。

先日、口の中の稚魚を取り出すことにしました。


ある程度母個体の口内で成長すると、稚魚は口から吐き出されます。

そのままにしておくと、

稚魚が同居している他の魚たちに食べられてしまうため、

そうなる前に口内から取り出して

稚魚だけの水槽にお引っ越しすることにしました。


母個体を傷つけることなく、

口の中の稚魚を出すにはどうしたらいいのか…!?

考えた結果、

「先を丸くした鉛筆」で母個体の口を開けることにしました。


その時の映像がこちら。

 

 

4匹の母個体から、全部で34匹の稚魚を取り出しました!

 

稚魚はこんな感じ。

2014.5.22-7.jpg


2014.5.22-8.jpg

ラピドクロミス・カエルレウスの特徴である

鮮やかな黄色ではなく、透き通った体をしていますね! 

おなかに黄色く見えるのは卵黄です。

少し頼りない感じはしますが、

引っ越し先の予備水槽でにょろにょろ泳いでいますよ!


これからは、母個体に代わって子育てに励みたいと思います!!

 ※母個体も元気に予備水槽で泳いでいますので、ご安心くださいね。



 


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カテゴリー  アクア・トトの生き物バックヤード
キーワード 須田
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