- 日本の淡水魚
トビハゼのおやつ
- 堀江(真)
こんにちは。クリスマスが終わり、もう2017年も今日が最後です。
寒さの真っただ中ではありますが、
「冬じゃないよ、冬じゃないよ。気のせい気のせい。」と語りかけながら
世話をしている生き物がいます。
それは、本来なら冬眠しているはずのトビハゼです。
土に潜って冬眠してしまうと、
砂と水だけの「空っぽな水槽」になってしまいますからね。
展示水槽内を温かくし、冬じゃないよと語りかけて冬眠しないようにしています。
でも食欲はいまひとつ。冬眠していないので食べないとやせてしまうのに、
夏場のようにモリモリ食べようとしません。
そこで、週に2回ほどですが活きた「コオロギ」を与えるようにしています。
ふだんは冷凍のアカムシや、配合餌料、魚肉などをあたえていて、
一応は食べるものの、グズグズ食べ。
そんなときにコオロギを与えると、
勢いよく近づいてきてコオロギにとびかかります。
コオロギが植物や岩の上に上がっていくと、
トビハゼが見事にジャンプをして食べることもありますが、
残念ながら撮影時はご覧のように地味な食べ方でした。
野生のトビハゼは、ゴカイや虫など小さくて動くものなら、
貪欲に何でも食べるようです。
夏の夜、干潟近くの岸壁には、小さいコオロギが無数にはりついているので、
きっとコオロギも食べていることでしょう。
トビハゼのいる「河口の生き物」水槽には、
もう1種類アベハゼというハゼも展示しています。
石のすき間などに隠れているため、気付かずスルーしてしまうかもしれませんが、
とてもきれいな色と模様をしています。
こちらのアベハゼも、ピンチの時などには陸の上をぴょこぴょこと
移動する水陸両用タイプのハゼです。
(まだ移動するところを見たことはありません)
それではみなさま、今年1年ハゼともどもお世話になりまして、
ありがとうございました。よいお年をお迎えください。