おもしろ飼育コラム

企画展からお便り11 ~ギギ~
  • 企画展・特別展示

企画展からお便り11 ~ギギ~

この魚、鳴きます!? ギギ ギギは、「ギーギー」と音を出すことから、この名前が付きました。 企画展のコーナーでは、展示と合わせて実際にギギの音をご紹介しています。 ギギは胸ビレのトゲとその付け根の骨をこすり合わせることで、音を発することができます。   この鳴き声を、一番良く聴くことができるのは、ギギを釣り上げた時です。 水族館のイベント「アクア・スクール 初めての釣り教室」では、木曽川で釣れたギギが、あちこちで「ギーギー」鳴いていたとか。   さて、音をだす魚は、ギギのように「骨部を摩擦して音を出すもの」の他に、ピラニアのように「特別な発音筋を振動させて音をだすもの」もいるようです。   ところで、魚類担当の飼育スタッフは水槽掃除のため、魚が泳ぐ中で潜水作業を行なっています。その時、聞きなれない音が、水中から聞こえてくることがあります。   例えば、水族館3階のコイの水槽では「カチカチ」という金属音に似た音が聞こえたり、2階のメコンオオナマズの水槽では「パチン」という甲高い音が聞こえることがあります。   はたして、これが空耳か、魚の鳴く音なのか。真相はいかに。     Tweet

企画展からお便り10 ~ウッカリカサゴ~
  • 企画展・特別展示

企画展からお便り10 ~ウッカリカサゴ~

今回はこの魚 【ウッカリカサゴ】 企画展のブース内にある「こよみ水槽」から。 この水槽は、みなさまに少しでも多くの生き物を知ってもらいたい、また、年間パスポートをお持ちのお客様に少しでも長く企画展を楽しんでいただきたい、そんな思いで季節に応じて生き物を変え展示しています。 ちなみに 12月16日~1月31日は、干支にちなんで、犬の牙を持つ魚「アルマータス・ペーシュカショーロ」。 2月1日~3月14日は、バレンタイン、ホワイトデーにちなんで、キスをする魚「キッシンググラミー」。 今回の3月15日からは、春のぽかぽかした季節にありがちな春ボケにちなんで... 季節の変わり目は、体調を崩しやすく、ぽかぽか陽気にさそわれて、ついうっかり物忘れをしたりしませんか? そんなことから「ウッカリカサゴ」を選びました。 (強引ですかね…) さてさてなぜこんな名前をつけられてしまったのでしょうか? この魚がウッカリ者ではございません!   「日本の魚類学者がカサゴとの違いに気付かずウッカリしていたため」 「研究者がウッカリしてカサゴと同じ種類だと間違えていたことから」 「うっかりするとカサゴと区別がつかないカサゴ」   これらが名前の由来のようです。それぞれニュアンスが微妙に違いますが…。 とにかく「ウッカリ」は、魚ではなくて人間の方なんです。 ウッカリカサゴは、宮城県以南、東シナ海、朝鮮半島南部の沖合に生息するカサゴによく似た魚です。 外見上の違いを自作のイラストで簡単に紹介します。 ①側線付近に白い斑点があり、斑点には明瞭な縁取りがあります。 ※カサゴには側線付近に白い斑点がないか、斑点があっても縁取りがない ②胸ビレの軟条(ヒレのすじ)が18~20本(19本が多い) ※カサゴは、17~20本(18~19が多い) このような違いがあります。   他にもカサゴに比べ沖に生息することや、カサゴが30cmくらいに対してウッカリカサゴは40cm以上になり大きい。こんな違いもあります。   昔から漁業関係者や釣り人などの間では、深場にいて大きくなるカサゴを「オキガシラ」「オキアラカブ」「アンポンタン」「カンコ」などと呼び、カサゴとは区別しています。また、市場では「カサゴより美味しくない」と言われ安価で取り引きされる。こんなエピソードがあるんですよ。 いつか、カサゴとウッカリカサゴの食べ比べをやってみたいですね。 今回、展示している個体は石川県能登半島にある「のとじま水族館」からやってきました。(のとじま水族館の皆様 お借りしたウッカリカサゴは元気です)   更におまけ情報。 企画展の中でこんな昆虫を展示しているのをご存じですか? オオアカカメムシ(別名:ジンメンカメムシ) おすもうさんのような顔をしているカメムシの仲間です。 この顔のような模様は、1匹ずつ違います。 そこでトト・ラボにこんな遊び道具を置きます。 顔はめパネルです。 インスタ映え間違いなし!! みなさん、ジンメンカメムシになってみてくださいね。 キーホルダーも販売中です。 ではでは。     Tweet

冬から春へ
  • 日本の淡水魚

冬から春へ

こんにちは。 3月になり、いよいよ春を感じる日が増えてきました。 約1か月前ですが、まだ寒さ感じる2月に採集へ行ってきました。 写真を見てもまだまだ冬の雰囲気が漂っていますが、水の中は春になりつつありました。 ウキゴリのメスです。お腹が色づいて産卵を控えているようです。 きれいです。 この魚は春に産卵する魚の中でも他より早く産卵するので、春を先取りといった感じでしょうか。   川をくだって海の方にも行きました。 毎年この時期にはボラやイシガレイの幼魚が観察されるのですが、今年もしっかり観察できました。   遡上を控えたアユカケも。 癒されます。 2月とは言え、この日は天気も良く春のような陽気でした。 さすがにまだカニ類の姿は見かけなかったです。   一方で、水族館の水槽ではどうでしょうか? 先ほど紹介したウキゴリですが、水槽でも色づいて産卵を控えていました。 去年は水槽内で産卵してくれましたので、今年も期待してます。 こちらはカニがいる水槽。 河口の干潟と同じように、まだ巣穴のなかで春を待っているようです。 ただ、真冬でも夜間や明け方、夕方、ちょっと暖かい日には観察できます。 この時期は日に日に暖かくなってくるので、毎日観察していると少しずつ観察できる頻度が増えてきます。 カニたちをみれば暖かいのかどうかがわかる、そんな見方もできます。   水族館の水槽は室内にあるので、自然の条件とは異なるところもありますが、紹介したように自然と同じような行動が観察できる水槽もあります。 特に当館の3、4階にある水槽では、四季の変化を感じることができる水槽も多くあります。 私たちは春になれば桜をみたり、夏になれば海に行ったり・・・毎年毎年よく飽きないなと思いますが、それは自然のみせる光景が一つとして毎年同じものではないので、そこに魅力を感じるのかもしれないと思います。 日本にはしっかりとした四季があるので、水族館にきて水槽をみていただくことで、その四季を感じて楽しんでいただければと思います。   Tweet

デビューから3ヶ月...(つぼみ成長期7)
  • アシカショー

デビューから3ヶ月...(つぼみ成長期7)

みなさん、こんにちは!!   昨年12月にカリフォルニアアシカのつぼみが無事デビューしてから、早いもので約3か月が経ちました。 みなさん、もうご覧になりましたか?   デビューしたばかりの頃は、周りが気になりソワソワ、キョロキョロな場面もありましたが・・・     今ではこんなに堂々とショーを頑張っています! どうですか?この落ち着きよう!! デビューしたてとは思えませんね!! さすが!! カッコいい!! いいね!!   ショー中はトレーナーの出すサインをよく見て、どんな種目も全力で一生懸命にやります! (ときどき間違えちゃうこともありますが、そこはご愛嬌ということでお許しを・・・笑) 全力すぎて手を振るときに私にも水しぶきが飛ぶことがあります。笑   先輩アシカのマリンと比べると、種目は少しぎこちない感じではありますが、またそこがつぼみの可愛いポイント!!!   そしてもう1つお伝えしたいのが、よーく見ていただくと、マリンとつぼみで顔も全然違います。ぜひ両方のショーを見て違いを感じて頂ければと思います!!   マリンは10:30、13:30、15:00の3回 つぼみは12:00のみやっていますので、ぜひつぼみとマリンに会いに来てくださいね! アシカステージでお待ちしております!       あ!! ちなみに、もうすぐマリンのショーが新しいテーマに変わります!! まだ見てない方はお早めに!!   Tweet

企画展からお便り9 ~ヨダレカケ~
  • 企画展・特別展示

企画展からお便り9 ~ヨダレカケ~

今回はこの魚。 【ヨダレカケ】 個人的に大好きな魚です。 トビハゼとかヨダレカケとかこのような魚は見ていて飽きないです。 なぜ魚なのに水中にいる時間があまりなくて、岩にくっついているんだろうな~?なんてことを思いながら閉館後にじっくり観察しています。   名前の由来は、下くちびるの形が「よだれかけ」に似ていることから。 ヨダレカケは、インドネシア、台湾、琉球列島などに分布し、波に洗われる岩やテトラポッド、港の岸壁などに下唇の吸盤で張り付いて、付着藻類などを食べて生活しています。 この名前の由来になった吸盤「よだれかけ」は、波打ち際の岩などにくっつくために必要でヨダレカケの生活には必要不可欠なものですね。 そしてエラ呼吸だけじゃなく皮膚呼吸もできるから長時間陸上にいることも可能なんです。   この陸上に進出した特殊な生活スタイルのメリットには 水中にいる捕食者(他の魚など)から身を守ることができる。 他の魚が利用できないエサを獲得できる。 などが知られています。 参考)広島大学 陸上産卵魚ヨダレカケの生活戦略に関する研究   ヨダレカケって、こんな特殊な環境でも生き残れるように進化してきた魚なんですね。改めて すごい魚です!   話は少し変わりますが、 ヨダレカケが当館にやってきたすぐはバックヤードでの飼育でした。 警戒心が強く、エサもなかなか食べてくれず、どうやってヨダレカケの姿をみせられるように展示ができるのか、下唇の吸盤を見せることなんて無理なんじゃないかと心配ごとばかり。 ヨダレカケを展示している他の水族館の担当者に飼育方法や展示方法をいろいろ教えていただきました。   ところがそんな心配はどこへ?というくらい 展示が始まり、その環境に慣れてしまえばなんてことなく、水槽右側のシャワー部を登って吸盤「よだれかけ」をみせてくれるようになりました。多くの方に支えられて順調に展示ができています。みなさま、ありがとうございました。 水槽内で慣れたとはいえ、どうしても人が多い時間は、石や石の陰に隠れることもあります。 朝早めの時間や夕方の人が少ない時間は、吸盤「よだれかけ」を見られる可能性が大です。それを見たい方は時間帯を選んで見ていただくとチャンスです。 夕方は、給餌もするのでエサを食べる姿も見てくださいね。     ではでは。   Tweet

企画展からお便り8 ~スベスベマンジュウガニとモクズショイ~
  • 企画展・特別展示

企画展からお便り8 ~スベスベマンジュウガニとモクズショイ~

こんにちは 河合です。 第8弾はこちらの水槽から。 今回は、スベスベマンジュウガニとモクズショイ。   まずは 【スベスベマンジュウガニ】 饅頭のように体が丸く、マンジュウガニの仲間の中では、体には突起などが何もなく滑々しているように見えることが名前の由来と言われ、漢字では「滑々饅頭蟹」と書きます。   なんて美味しそうな名前なのでしょうか? よだれが出そうな名前ですが、実はこのカニ、テトロドトキシン(フグ毒)など数種類の毒を持つ危険生物です。毒の強さは地域差や個体差がありますが、食べたら命を失うことがあるので絶対に食べてはいけないカニです! 名前に惑わされちゃだめですよ。 ※毒は主に筋肉中や外骨格(=殻)に含まれています。   このカニは、インド洋から太平洋西部に広く分布していて、日本でも関東から沖縄の太平洋岸のサンゴ礁や岩礁帯で見られます。体のわりにはしっかりした大きなハサミを持っていて、そのハサミで海藻やゴカイ、貝などを食べてくらしています。 磯採集で捕まえることができるカニなので、絶対に食べちゃダメですよ。   小学生から教えてもらった情報ですが 某テレビ局の某番組「みんなの○○」でこんな歌があります。 「恋のスベスベマンジュウガニ」 この中には、モクズショイ、バフンウニ、スカシカシパンなど変な名前の生き物が紹介されていますよ。興味があればインターネットなどで検索して聞いてみてくださいね。   【モクズショイ】 体にかぎ状の毛が生えており海藻やカイメン、ゴミなどをつけて擬装することが名前の由来と言われ、漢字では「藻屑背負」と書きます。 「モズクショイ」と呼び間違える人も多いみたいですが…。 「モクズショイ」ですからね!! 英名では「Decorator crab(デコレータークラブ)」と言い、飾りつけるカニという意味です。 毛先がマジックテープのようにかぎ状になっていて、いろんなものがくっつけやすくなっているんですね。 また「Spider decorator crab(スパイダーデコレータークラブ」とも呼ばれます。 スパイダーとはクモのことですがクモガニ科のカニで脚が長くて確かにクモの体形に似ています。 モクズショイは、インド洋~太平洋西部、オーストラリアに広く分布していて、日本でも関東から沖縄のサンゴ礁や岩礁帯の岩間に生息しており、磯でも見つけることができます。 ただ、体に海藻やカイメンなどをつけて周りの景色に溶け込んでいるので見つけにくいんだとか…。 そういえば国語の教科書1年生「海のかくれんぼ」でもこのカニが教材として紹介されていますよ。   最後に 小さなハサミ脚で器用にデコレーションする様子をご覧ください。     ではでは。   Tweet

企画展からお便り ~番外編~
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企画展からお便り ~番外編~

みなさん、こんにちは! シリーズでお届けしております「企画展からお便り」。 今回は“番外編”ということで、企画広報チームの夏目からお届けします!   ただ今開催中の企画展「そのなまえヘンテコリン」。 企画展の最後に、こんな展示があります。 みなさんに名前を考えていただき、 自由に応募していただいくコーナーです。 みなさん、ユーモアたっぷりのネーミングを考えてくれていますね!   さて、今回ご紹介したいのは 「名前をつけてみよう!」の進化版として... 特別スクール「みんなでつくろう!ヘンテコリンな生き物たち」 という特別ワークショップを、岐阜県美術館さんのご協力の元、 開催することになりました!!   キーワードをもとに、オリジナルの「ヘンテコリンな生き物」を創造し、 いろんな材料を使って作品を作ります。   例えば、こんな風に... これは、キュウリしか食べない「キュウリサシ」という 生き物だそうです(※実際にはいません)。   出来上がった作品は、額縁に入れて完成です! 企画展担当スタッフ河合による「ヘンテコリンな生き物」のお話や、 企画展コーナーの見学、お土産にはオリジナルマグネットももらえます♪ 岐阜県美術館と合同の、いつもとはちょっと違った特別スクール。 創造の生き物たちを、作ってみませんか?   詳しい内容や応募はこちらから!   みなさんのご参加、お待ちしております!!   それでは、また!   Tweet

企画展からお便り7 ~ポストフィッシュ~
  • 企画展・特別展示

企画展からお便り7 ~ポストフィッシュ~

配達はいたしません!! ポストフィッシュ ポストフィッシュは、体の模様が郵便記号の「〒」に見えることから、 名付けられました。 コイ科の淡水魚で、タイやマレーシア等の東南アジアに生息しています。   当館では、豊川市赤塚山公園(ぎょぎょランド・アニアニまある)より、 8cnほどの小さな個体と、15cmほどの大きな個体をお借りして、展示しています。 とくに注目して頂きたいのが、15cmほどの大きな個体。 渋く味のある顔つきが何とも言えません。 当館のコイ好きスタッフをも唸らせる個体です。   食欲旺盛で、ついついエサを与えすぎてしまうことから、 バックヤードには「給餌は腹八分でお願いします」と注意書きがあるほどです。 さて、このポストフィッシュ。 海外では模様が工具のスパナに見えることから「Spanner barb」や、 英字のTに見えることから「T-barb」と呼ばれています。 でもやはり、ここ日本では郵便記号の「〒」ですよね。   勝手ながら、名古屋駅前の新しい顔「KITTE名古屋」のマスコットキャラクターとして、 このポストフィッシュを推薦いたします?!     Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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