みなさんこんにちは。 パンタナール展第2章のいきもの紹介です。 ホプロステルヌム・リットラーレです。 この種に対する日本語の名前がないため、カリクティスの一種という形で紹介しています。 この魚はナマズの仲間で、長いヒゲが特徴的ですが、それ以外にも頭は固い骨質板で囲われ、体にはヨロイのような鱗があります。 その見た目から、日本では「ヨロイナマズ」、英語では「アーマードキャットフィッシュ」とも呼ばれることもあります。 この魚の実際の骨格はみたことはないのですが、近い仲間はプレコやコリドラスなどです。下の写真はプレコの仲間の骨格です。 いかにも硬そうな頭をしていて、まさにヨロイを着けているようですね。 さて、このカリクティスの一種は、とてもユニークな生態をもっています。 まず一つは腸呼吸を行うことができます。 これは沼や池などで水中の酸素が少なくなっても、生存していける呼吸方法の一つです。 水槽内は酸素不足ではないですが、たまに水面へあがって息継ぎをした後に、おならをするように泡がでてきますので、どのような環境でも腸呼吸するようです。 しばらく水槽を観察していると結構見ることができますよ。 二つ目は、産卵する際、植物の根っこや枯葉などに泡の巣をつくります。 ぜひ見てみたいと思い、植物の根や枯葉を用意してはいるものの、残念ながらまだ見ることができていません。 三つ目は、ウインクしてきます(笑) 厳密にいうと、まぶたがないのでウインクではないのですが、目がぎょろっと下へ動きます。 最初見たときは、幻かな?と思ったのですが、調べてみると「ウインクキャットフィッシュ」とでてくるので、この仲間の特徴のようです。 長くなりましたが、最後はこのお話。 お腹側の写真です。 肛門の下にちょろっとついているものが見えますか? アップにしてみます なんだか分かりますか? 最初みたとき、なんだこれ?と思いました。 場所的には、肛門の下で、オスのみについています。 どうやらこの魚は、交尾の際オスがメスの口に放精をして、メスは精子を飲み込み一度ためてから、産卵するという特殊な繁殖方法をもっているようです。 こちらがメスのお腹側で、メスにはついていないようです。 (オスは胸びれの先端が、厚くなりオレンジ色に染まります) 同じナマズの仲間だと、コリドラスも似た繁殖方法をもっていますが、この魚もそうだとは知らず、お腹側をみて初めて気が付いたので、かなり意外な発見でした。 ただ実際のところ、本種の繁殖行動をみたことがないので、本当なのかな?とも思ってもいます。ぜひ展示期間中までに交尾を行い、産卵するところをみられたらなと思っています。 みなさんも立ち寄った際は、少し観察してみてくださいね! Tweet