おもしろ飼育コラム

モトロに思い届かず
  • アマゾンの生き物

モトロに思い届かず

こんにちは。 水族館の周りでは、ソメイヨシノが見ごろを迎えつつあります。 もうすっかり春ですね。   さて、今回はアマゾン川にすむ淡水エイ、モトロについてです。   当館には大きなモトロが5匹います。 1匹は、昨年から今年にかけて3回の出産をしたメスで、 その他は4匹ともオスです。   展示しているのはオス2匹で、残りの3匹はそれぞれ別々に飼育しています。     大きくなった子エイたちを、そろそろ広い水槽に移したいなーと思っているのですが、手ごろな水槽は大きなモトロたちが占拠していて空いていません。 そこで、「そうだ!大きいオス4匹を一緒にしてみよう!!」とひらめきました。(メスは立て続けに出産したので、しばし休憩中です。) 展示水槽にモトロがいっぱいになればステキじゃないですか。 そして、空いた水槽に子エイたちを移動できる!     3月8日が休館日でしたので、その日に移動することにしました。 オス2匹を展示水槽に移して、4匹そろったところで問題が起きないか観察していたのですが…、即問題勃発。 激しい闘争が始まり、少し小さめだった個体は傷だらけに。。。     そこで、1番攻撃的な強い1匹をバックヤード移動して、 展示個体数を3匹にして様子を見ることにしました。   しかし、残念なことに小さめだった個体は翌朝さらに傷が増えていたため、 バックヤードに移動させることとなりました。   あっという間に2匹…。撃沈です。 展示個体数は前と変わらず、残念な結果となりました。     それから数日後、その2匹にも強い個体と弱い個体がでてきてしまい、 またまた移動。   結局、最初から展示していた組み合わせの2匹に落ち着きました。       モトロの展示個体数を増やせないかと試みた数日間。 全くもってモトロたちは元通りの場所に落ち着き、飼育スタッフの時間と労力は水の泡となりました。   傷ついた2匹はめきめきと回復しています。展示している2匹に負けないように、さらに強くたくましく育てようと思います。   お腹側は優しく微笑んでいるかのようにも見えるモトロ。   しかし、怒るとこわい性質を、改めて実感させられた数日間でした。     今はあどけなくて可愛らしいモトロの子どもたちも、 成長したら、いずれ闘争が始まり一緒に飼育していられなくなるんだろうな…。   末恐ろしい。   かわいい子エイは、現在開催中の企画展「トゲめくエイ」で展示しています。 企画展が終わったら、巨大なサイズになるまでバックヤードで育てる事になりますので、ぜひこの機会に見に来てくださいね。       Tweet

コツメカワウソに仲間が増えました!
  • コツメカワウソ

コツメカワウソに仲間が増えました!

こんにちは!   3月8日、当館に2頭のコツメカワウソが仲間入りしました。 メスのサクラ(2018年12月22日生まれ)と   オスのカシワ(2018年12月21日生まれ)です! ともに新江ノ島水族館で誕生した2才の個体です。   コツメカワウソはワシントン条約付属書Ⅰに記載される希少野生動物なので、今回の移動は新しい血統で繁殖することを期待されてのことです。     さて、着いた当日はサクラもカシワも警戒しており、 ずっと麻袋の中に隠れたままでしたが、 翌日には歩き回るようになり、エサも食べてくれたので一安心。   サクラ(右)はヒダ(左)と   カシワは(右)アサヒ(左)と  とても仲良く過ごしています。   一緒の麻袋に入ったり、一緒に歩き回ったり、一緒にあくびしたり…。   いつか元気な赤ちゃんを産んでくれますように。 そう願いながら、今はまず健康に過ごしてくれるようしっかりと管理していきたいと思います。   サクラは3月9日に、カシワは3月17日に展示デビューを果たし、広い展示スペースで、元気に走り回ったり、泳いだりしています。 週替わりで展示しているペアが変わりますので、どの個体が出ているか楽しみにご来館くださいね。   お待ちしております!     Tweet

卵はどこに??
  • アクア・トトの生き物

卵はどこに??

以前、2階「コンゴ川 中流の魚」水槽で飼育しているオーケノグラニス・オキシデンタリスという、大型のナマズの仲間の幼魚の発見をお伝えしました。   本種は一般的にオーネイトキャットと呼ばれているので、これ以降はこの名前で呼ぶことにします。 オーネイトキャットは繁殖の際、水底に巣を作って卵を産み、卵を保護するという生態を持つのですが、この時にはそのような行動を観察することができませんでした。いったい、どのように産卵し、成長していたのか疑問でした。   そんな中、昨年11月の初め頃に一番大きなオーネイトキャットが水槽の奥のほうで砂利を盛り上げ、そこに陣取るようになりました。 私が、清掃のために潜水した際、この場所に近づくと威嚇して追い払おうとしてきました。普段は温和な魚なのですが…   もしかしたらこの個体は、砂利を盛り上げて作った巣に卵を産んでいて、卵を守ろうとしているのかもしれません!   陣取った場所の上で胸ビレをパタパタと動かし、卵に新鮮な水を送っているかのような行動もしていました。   卵があるのかを確かめるために、その巣らしき場所に突撃してみました! オーネイトキャットの威嚇におびえながら巣の中を探したのですが……卵は見つかりませんでした。   その後も何度か潜水し、卵を探したのですが見つからず、1か月ほどしたらこの場所から離れて水槽の手前に出てくるようになってしまいました。「結局、産卵はしていなかったのかな」と残念に思っていたのですが…   12月末、この水槽に他の飼育スタッフが潜水した際、オーネイトキャットの幼魚を発見しました。 「じゃあやっぱりあの時産卵してたの!?!?」と年末にがっくりとしてしまいました。     「いったいどこに産んでいたのか…またチャンスがあれば今度こそは卵を見てみたいな…」 と思っていたらチャンスは意外と早く来ました。     今年の2月の中頃、前回巣らしきものを確認した同じ場所でオーネイトキャットが雌雄一緒にいるところを発見しました!   「もしやまた産卵するのでは?」と観察を続けていたところ、その約一週間後には前回と同じ個体が巣を作り、胸ビレをパタパタさせながら陣取るようになりました!チャンスとばかりに、巣の奥のほうまで探したところ、ついに卵を発見することに成功しました!   「やったー!」   これが採取したオーネイトキャットの卵です。   卵の大きさは約3 ㎜くらいでした。 中央の黄色い部分が卵黄で、外側の白い部分が胚(魚の体になる部分)です。胚が成長してきていることからちゃんと受精した卵であることが確認できました。     卵を採取した2日後にはふ化が始まりました!大人の姿とは全然違いますね!   そしてふ化後5日目には色素ができはじめ、ナマズの特徴であるひげがはっきりと観察できるようになりました。   そしてふ化後9日目には餌を食べる様子も観察できました。成長の早さに驚いています!   今後も飼育を続けてオーネイトキャットの成長を記録していきたいと思います!     Tweet

春告魚
  • 日本の淡水魚

春告魚

こんにちは。 寒かった今年の冬も、もう終わりですね。   先日、春を見つけに河口に行ってきました。   春告魚といえば、メバルやニシン、シロウオなどいろいろありますが、 わたしにとっての春告魚は、こちらのカマキリ(アユカケ) の、幼魚 ↓ です。   カマキリという名よりも、アユカケのほうが個人的に親しみがあるので、 ここではアユカケでいきます。   アユカケは、秋から冬に川を下り、1~3月に海の浅い沿岸域で産卵します。 そして、春になると、産まれた幼魚が川を上っていきます。   そのため、春の河口はちっちゃいアユカケの通り道となります。   残念ながらこの日は風が強く、いい写真は撮れませんでしたが、 何匹か見つけることができました。 アユカケといえば、隠れ上手で石化けの術が得意ですが、 この頃の幼魚は、中層や表層をふわふわ~と無防備に泳いでいます。     大きさは1.5cmぐらい。   それぞれのヒレは透明な部分が多く、胸ビレも半分ぐらいが透明です。   大きいアユカケも好きですが、ちっちゃいアユカケのよさったら…。 もう~、たまりませんね💛     幼魚たちが河口を通り過ぎ、上流へと進んでいった後には、 力を使い果たしたお父さんアユカケが、   波打ち際を漂いながら生涯の幕をおろそうとしている場面も見られます。 長旅の果て、しっかりと子孫を残した、お父さん、お母さんアユカケにも感服です。   環境の変化により各地で激減しているアユカケですが、 今年も「ちゃんと育って川を上っていきました!」。 その確認ができて、うれしく思います。     Tweet

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本日の開館時間

9:30-18:00

最終入館 17:00

世界淡水魚園水族館 アクア・トト ぎふ

〒501-6021 岐阜県各務原市川島笠田町1453

TEL 0586-89-8200 FAX 0586-89-8201

2回分の料金で何度でも楽しめる!

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