- アクア・トトの生き物
“ハサミ”がなくても
- 堀江(真)
こんにちは。毎日寒すぎますね。
今日は個人的にちょっと心が温まった出来事を紹介します。
2カ月ぐらい前だったでしょうか。
展示水槽にいるアシハラガニにエサをあげようと、
石をめくって探していた時のことです。
「ん?なにか違和感…」
なんと大事なハサミあしが、すっかりないではないか!!!
きっと仲間に襲われて自切したんだと思います。
あしも1本足りないし、甲には生々しい傷もあります。
これではエサをつかむこともできないし、
あれもこれもできなさそうで長くは生きられないんじゃないか。
それでも、ためしにエサのコオロギを与えてみたところ、
もがきにもがいた挙句、壁と体の間にコオロギをはさんで、
食べ始めました。
こいつはまだ、あきらめてないんだ…。
それならしっかりサポートしてあげよう。
次の脱皮までなんとかしのげば、新しいハサミあしが生えてくるはずです。
エサが少しでも食べやすくなるように、
小さな水槽に移し、食べやすそうな水草やアカムシをその中にたくさん入れて、
ときどきピンセットでコオロギや魚肉を与えました。
でも残念なことに、ほとんどエサを食べているのを見ることはありませんでした。
ほかのアシハラガニが次から次へと脱皮をしても、
まだ…。
「もうだめかな」と思いかけていたときでした。
だっぴしたー!!!
さて姿はどのように???
おー。
よかった。かっこいいアシハラガニに戻ることができました。
カニの再生能力ってすごいです。底力を感じました。
冬、カニたちは非活動シーズンではありますが、
展示槽のアシハラガニは冬でも元気です。
あいかわらず隠れてばっかりですが、また会いに来てくださいね。