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イタセンパラにそっくりなピーコックガジョン
- 山下
みなさまこんにちは。
展示飼育部の山下です。
今回のコラムのタイトルは「イタセンパラにそっくりなピーコックガジョン」です。
何を言っとるんだこいつは、と思われた方がほとんどかと思います。
本コラムでは私がこのタイトルのように感じた理由を解説していきます。
さて、みなさまは先日まで開催していた企画展『ハゼパラダイス』は覚えていらっしゃいますか?
そこでピーコックガジョンというハゼを展示していたのを覚えていらっしゃいますか?

このピーコックガジョン、実は展示していた水槽内で卵を産んでおりました。
ピーコックガジョンは岩の割れ目のような環境に卵を産みつけることが知られています。水槽内で石をいい感じに組んで、ここで繁殖しろよ~~~と祈りながら日々を過ごしておりました。すると、卵を産んでいたわけです。(見つけたのは自分ではなく、先輩でしたが…。悔しい。)
卵はこのような感じです。

石と卵の色が似ているため、わかりづらいですね…。
1粒だけ石からはがれたものを観察してみるとこのような感じです。

細長い形をした卵の中に、既に少し魚の形になっている胚を観察できました。
一粒の大きさは長径およそ2.0mm、短径およそ1.0mmほどでした。
ピーコックガジョンはカワアナゴ科というグループに含まれる魚です。カワアナゴ科に含まれる魚の多くは卵が非常に小さいことで知られています。カワアナゴ科の代表的な種であるカワアナゴの卵は、長径0.4mm、短径0.3mmほどだそうです。それに比べるとピーコックガジョンの卵は非常に大きいです!
一般的に、卵が小さければ小さいほど生まれてくる魚のサイズは小さくなります。また、生まれてくる魚のサイズが小さければ小さいほど育てるのは大変です。ピーコックガジョンは卵が大きく、産まれた時のサイズも大きかったため、わりとすくすくと育ちました。
そして孵化から約1か月半が経過した、現在の様子がこちら。

これを見た時、「!?イタセンパラそっくりやん!!」
と思いました。
イタセンパラというのは、日本に生息するタナゴの仲間です。
そしてイタセンパラの稚魚はどのような見た目をしているかというと、こんな感じです。

そっくりに見えませんか?
(玄人の方々には何を言っとるんだ、と思われるかもしれませんが…。)
特に背ビレと尻ビレの感じが似ていますね。
ただ、ピーコックガジョンの方が尾ビレに丸みがあります。
カワアナゴの仲間らしい特徴かと思います。
イタセンパラの尾ビレは三角形に近く、タナゴらしい特徴をしています。
また、ピーコックガジョンは背ビレと尻ビレに鮮やかな黄色い模様が入っています。
ピーコックガジョンは英語で表記するとPeacock gudgeonです。
Peacockにはクジャクという意味があり、Peacock gudgeonでクジャクのように派手な体色を持つ小魚という意味になります。
まさか稚魚の頃から派手だったとは…。
成魚を見ているだけではわからないことでした。
生き物を繁殖させると、それまで見えてこなかったもの、知らなかったことがたくさん見えてきます。生き物たちをより深く知ることができた気がして非常にうれしい瞬間でもあります。
今後もいろんな生き物を飼育し、観察し、知見を集積していきたいと思います。
このあたりで本日のコラムは終了とさせていただきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
それではまた次のコラムでお会いしましょう!