ハゼの恋物語
2016.05.17 (火)
こんにちは。
さっそくですが、ちょっと気持ち悪めのこちらの写真↓
産卵から3日目、明日あたりにふ化するであると思われるアシシロハゼの卵です。 トンネル型の塩ビ板にくっついています。 5~9月がアシシロハゼの繁殖期です。 アシシロハゼは超有名な「マハゼ」と近縁な種で、 見た目や生息している場所も似ています。 なのに無名なアシシロハゼ。その求愛行動を今日は動画付きでご紹介します。 繁殖期を迎えると、オスは石や貝の下面で砂を掘るなどして巣を作ります。 そこへ、婚姻色がでて、顔と腹ビレを黒くしたメスがやってきます。↓ (右のトンネルの中にはオスがいます)
「見て!わたしの顔。ほら、黒いでしょ!」 といった感じで、顔周辺をオスに猛アピール。 メスが勝手にトンネル内に入ることはしません。 そして2匹は、広いスペースに移動して、くるくると求愛のワルツを踊り出すのです。 始まりは、メスがオスの背中にアゴをのせることみたいです。↓
くるくると反時計回りにまわっていました。 動画でもどうぞ↓ 注:)かなりカレイが邪魔です。
そして、仲良く2匹は巣の中へ↓(たぶん) ワルツ後、どのようにしてこの状態になったのか、その現場は見れませんでした。 わたしがいると邪魔かなぁと思って立ち去り、数分後に見に来たらこの状態でした。
そして翌日――― 産卵してなかった・・・。 そこで、落ち着くように2匹だけにして別の水槽にうつしたところ↓
産卵してました。 オスが卵を守っています。 トンネルの裏側にびっしりと卵がついているのがかろうじて見えますね。 ふ化した稚魚は本当に小さくてか細くて弱弱しい。 目をこらさないと見えないぐらい。 実は1回目の産卵では、ふ化して数日で稚魚を全滅させてしまいました。 くやしい。 まもなく2回目の卵がふ化するので、 同じ失敗は繰り返すまいと意気込んでおります。 アシシロハゼは長良川の「下流のカニ」水槽で展示しています。 このブログを読んでくださった方が、 「あぁ、この地味なハゼが、ワルツを踊るのね」って、 思い出してくれるとうれしいです。