カピバラのトレーニング~健康チェック編~
2020.10.08 (木)
こんにちは。
最近は少し気温も下がり、朝や夜は過ごしやすくなってきましたね。
私は、寒暖差に弱いので、体調をくずさないよう気を付けて過ごしています。
そして、自分だけではなく、動物の健康管理にも気を付けています。
そこで、今日は、カピバラの健康管理についてお話しします。
約3年前より、私はカピバラ「ラーゴ」のトレーニングを行っています。
上の写真がラーゴです。
始めたきっかけは、
健康チェックをスムーズに行うため、
また、水中でのカピバラの様子をお客様に見ていただくためです。
まずは、使っている道具を紹介します。
これは、「クリッカー」と言って、オッケーの合図として使います。
例えば、ラーゴにクルクル回転してほしい時、私が出したサインに反応して、ラーゴが回転してくれたら「合ってるよ」という合図として、クリッカーを鳴らします。
そうすることで、コミュニケーションをとっています。
動画もありますので、いつクリッカーを鳴らしているのかもぜひ注目してみてくださいね。
では・・・
いざ!トレーニング開始!
カピバラの飼育スペースに入り、「ラーゴ~~~!」と呼ぶと・・・
私の足元までやってきて、自らおすわり。
トレーニングを始めるときは必ずこの状態から始めます。
そして健康チェックです。
まずは、「お手」、「おかわり」で前あしに傷がないか確認します。
次に、
寝転がってもらい、お腹に傷がないかを確認します。
ここまでを動画で撮影しましたので、ご覧ください!
次は口内のチェックです。塩ビパイプを曲げた物を用意し、口元にさしだすと
くわえた状態で、止まってくれます。
この間に歯がのびすぎていないか、ケガをしていないかなどを確認します。
さて、口内チェックまで終わったら、水場へ移動します。
水場へ行くと、おしっことウンチをします。
これも、水場でするようトレーニングしたことにより、できるようになりました。
おしっことウンチは、体の中のことを調べる検査をするときに採取します。
普段、検査はしていませんが、いつでも検査できるように、日々訓練です。
おしっことウンチが終わると動画のように、私のいる場所に戻ってきます。
戻ってきたら今度は寝転がらせて肛門に体温計をさし、体温測定を行います。
ちなみに、ラーゴの体温は36.3~36.8℃ほどです。
ここまでが、普段行っている健康チェックです。
この他に、月に2回程度体重測定もしています。
前あし、口内、排せつ物、体温、体重どれもトレーニングにより検査がスムーズにできるようになったものです。
この中で、特に一番トレーニングに苦労したのが、
「寝転がる」です。
お腹を見せるということは、動物にとっては弱点を見せるようなもので、ラーゴもなかなかお腹を見せてくれませんでした。
そのため段階を踏んでトレーニングを行いました。
まずは、ふせができるようにトレーニングしました。そして、ふせの状態から体を反転させていき、とうとう寝転がれるようになりました。これには1か月半かかりましたが、今ではサインを出すとすぐに寝転がりじっとしてくれます。
おかげで体温測定だけでなく、必要なときに塗り薬を塗ったりすることもスムーズに行えるようになりました。
現在は、健康管理のさらなる向上を目指し、採血のトレーニングを行っています。
今度は、健康チェック以外の陸上トレーニングや水中トレーニングについても書いていこうと思いますので、楽しみにしていてくださいね。