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老いたハゼ

2020.12.02 (水)

堀江真

こんにちは。

気が付けばもう12月。1年は早いですね。

 

さて、今回は長良川エリア「河口の魚」水槽のウロハゼにスポットを当ててみます。

こちらがウロハゼ。

こんなふうに、いつも顔だけ見えています。

 

ハゼ釣りでは外道扱いされることもあり、

名前もほとんど知られていないハゼなのではないでしょうか。

 

漢字では洞鯊や虚鯊となり、

洞穴のような空間に隠れることからつけられた名前のようです。

わたしはてっきり、ウロコが大きいという特徴から

ウロハゼなんだとばかり思っていました。

 

 

他の特徴としては、

①あごから目にかけて斜めに入る黒線

②受け口(下あごが上あごより突き出ている)

のふたつがあります。

 

 

このふたつだけでいえば、ビリンゴも同じなので、

ビリンゴ ↓

 

全長が3~4cmぐらいの時は、捕まえた瞬間に見間違えることもしばしば。

(こうして見てみると全然違うんですけどね。)

 

 

個人的にはビリンゴが大好きなので、

ビリンゴだと、「あ!ビリンゴだ♡」となり、

ウロハゼだと「なんだ、ウロハゼか」となります。

 

とはいえ、ウロハゼも大きくなり貫禄が出てくると、

隅に置けない素敵なハゼです。

 

2018年の春からウロハゼの展示をはじめたのですが、

ずっとこの写真の個体が頑張ってくれています。

バックヤードで幼魚の頃から15cmぐらいまで育てたのちに、

展示水槽デビューしているので、

トータルではもう4年ぐらい生きているんじゃないでしょうか。

短命な種類が多いハゼにしては長生きです。

 

 

現在は全長23cmになりました。

しかし、さすがに近頃は見るからに「老い」を感じます。

 

凛々しかった頃のウロハゼ ↓ 渋くてかっこいい。

 

 

現在のウロハゼ ↓

 

体の色がくすんで、目も少し白くなってきました。

粗っぽさがなくなり、なんだかぼんやりしているよう。

 

もう日々不安です。今日は元気かな~?と毎朝はらはらしながら確認しています。

 

私の中の、ウロハゼの印象を変えてくれてくれた1匹です。

全然、外道じゃない!超かっこいいじゃん!

1日でも長く生きて、みなさまに見に来てもらえたらうれしいです。

 

 

 

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カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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