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モトロに思い届かず

2021.03.27 (土)

堀江真

こんにちは。

水族館の周りでは、ソメイヨシノが見ごろを迎えつつあります。

もうすっかり春ですね。

 

さて、今回はアマゾン川にすむ淡水エイ、モトロについてです。

 

当館には大きなモトロが5匹います。

1匹は、昨年から今年にかけて3回の出産をしたメスで、

その他は4匹ともオスです。

 

展示しているのはオス2匹で、残りの3匹はそれぞれ別々に飼育しています。

 

 

大きくなった子エイたちを、そろそろ広い水槽に移したいなーと思っているのですが、手ごろな水槽は大きなモトロたちが占拠していて空いていません。

そこで、「そうだ!大きいオス4匹を一緒にしてみよう!!」とひらめきました。(メスは立て続けに出産したので、しばし休憩中です。)

展示水槽にモトロがいっぱいになればステキじゃないですか。

そして、空いた水槽に子エイたちを移動できる!

 

 

3月8日が休館日でしたので、その日に移動することにしました。

オス2匹を展示水槽に移して、4匹そろったところで問題が起きないか観察していたのですが…、即問題勃発。

激しい闘争が始まり、少し小さめだった個体は傷だらけに。。。

 

 

そこで、1番攻撃的な強い1匹をバックヤード移動して、

展示個体数を3匹にして様子を見ることにしました。

 

しかし、残念なことに小さめだった個体は翌朝さらに傷が増えていたため、

バックヤードに移動させることとなりました。

 

あっという間に2匹…。撃沈です。

展示個体数は前と変わらず、残念な結果となりました。

 

 

それから数日後、その2匹にも強い個体と弱い個体がでてきてしまい、

またまた移動。

 

結局、最初から展示していた組み合わせの2匹に落ち着きました。

 

 

 

モトロの展示個体数を増やせないかと試みた数日間。

全くもってモトロたちは元通りの場所に落ち着き、飼育スタッフの時間と労力は水の泡となりました。

 

傷ついた2匹はめきめきと回復しています。展示している2匹に負けないように、さらに強くたくましく育てようと思います。

 

お腹側は優しく微笑んでいるかのようにも見えるモトロ。

 

しかし、怒るとこわい性質を、改めて実感させられた数日間でした。

 

 

今はあどけなくて可愛らしいモトロの子どもたちも、

成長したら、いずれ闘争が始まり一緒に飼育していられなくなるんだろうな…。

 

末恐ろしい。

 

かわいい子エイは、現在開催中の企画展「トゲめくエイ」で展示しています。

企画展が終わったら、巨大なサイズになるまでバックヤードで育てる事になりますので、ぜひこの機会に見に来てくださいね。

 

 

 

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カテゴリー  アマゾンの生き物
キーワード 堀江真
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