世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

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ヒガイ

2021.05.30 (日)

堀江真

こんにちは。早くも梅雨入りしましたね。

 

雨がたっぷり降るこの時期は、多くの日本産淡水魚にとっての、大事な大事な繁殖期でもあります。

 

というわけで、現在、バックヤードでは、ゼゼラやカワヒガイなどの繁殖を手掛けています。

 

ところでカワヒガイという魚、みなさまはご存じですか?

 

これがカワヒガイ。上がメスで、下がオス。

 

オスの顔がピンクに色づいているのは、繁殖期に見られる婚姻色です。

 

 

一方、メスのお腹には、卵を二枚貝の中に産みつけるための白い産卵管が伸びていて、タテボシガイやササノハガイなどの二枚貝の中に産卵します。

 

当館では、二枚貝は利用せず、よりシンプルな方法として人工授精により繁殖を行っています。

 

魚が暴れて傷ついたりしないように、麻酔をかけた状態で、お腹を押して、卵と精子を採取して受精させます。

 

そして、これが受精から1日後の卵です。

 

4日後には目や体ができ、卵のなかでくるくると動くようになります。

 

少しばらつきがあるのですが、だいたい1週間後ぐらいに孵化します。

孵化した翌日にはうまく泳ぐことができ、エサも食べます。

 

孵化から数日後はこんなふう。

 

 

ところで、下の写真は中国にすむカヒガイの稚魚です。

 

同じヒガイ属というだけあって、形は似ていますが、

ラインの入り方など、黒色のところは結構違いがありますね。

 

当館にはさらにもう1種、中国にすむコヒガイもいるのですが—――、

 

こんな写真しかなかった…。これじゃ見比べられない。反省です。

 

しかし!よく見てみると尾びれの付け根が黄色いですね。

卵の中にいる個体も、同じところが黄色くなっています。

コヒガイの仔魚にはこんな特徴があったとは。今まで気が付きませんでした。

 

さて、このようにして、カワヒガイの次世代をしっかりと確保することができたわけなのですが、

展示水槽では4歳以上のシニアチームが、まだまだ現役と言わんばかりに元気に泳ぎ回っています。おかげで、おチビさんたちの展示デビューはちょっと先になりそうです。

 

 

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カテゴリー  アクア・トトの生き物バックヤード日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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