魚類闘病日記パート⑤
2021.08.04 (水)
みなさま、こんにちは。
今回はポリプテルス・デルヘジの治療についてです。
この魚は2階の「コンゴ川 下流の魚」水槽で展示されています。
さかのぼること4月のある日、水槽掃除のために潜水すると、体表の一部が赤くなったポリプテルス・デルヘジを発見しました。
すぐに取り上げて予備槽に移し、治療を開始することにしました。
まずは赤くなっている部分を採材して、検査を行いました。
その結果、どうやら、細菌によるもののようです。
そこで、抗生物質をエサに混ぜて与えることにしました。
しかし、食べてくれません…。
数日間、試してみましたが、やはり食べてくれません…。
そのため、投薬方法を筋肉注射に変えることにしました。
ポリプテルス・デルヘジはとても硬いウロコで体が覆われている魚です。
注射できるかな?と不安でしたが、ウロコとウロコのすき間を狙うとすっと針がささり、無事に注射することができました。
注射による投薬は、水槽から取り上げて保定して行うため、魚にとってはかなりのストレスになります。早くエサを食べてくれることを願いつつ、慎重に注射を続けること1週間…。
ついに!エサに興味を示すようになり、薬入りのエサを食べてくれました。
それからは、この方法で薬を投与しながら経過を観察しました。
はじめは、患部が少しずつ黒くなりました。
これは、もしかするとウロコが脱落するのではないかと思い、さらに数日間様子を見ると…。
ウロコはなくなりましたが、赤みはなく、炎症はしていないようでした。
その後、元気に泳ぐ姿が見られるようになりました。
ウロコの再生ができるだけスムーズに進むように、今度はエサにビタミン剤を混ぜて与えることにしました。
それから1か月…。
半分程度のウロコが再生したようです。
この写真からお分かりいただけるでしょうか?
今は、ウロコの回復具合に一喜一憂している私ですが、このデルヘジが展示水槽に戻り、ほかの魚たちに混ざって元気に泳ぐ日が来ることを願うばかりです。