男の子とエイ
2022.01.01 (土)
新年あけましておめでとうございます。
本年もアクア・トト ぎふをどうぞよろしくお願いいたします。
寒い日が続きますね。
2021年は臨時休館などもありましたが、多くのお客様に支えられてアクア・トトぎふとそのスタッフ一同は頑張ることができました。ありがとうございます。
先日もそれを身にしみて感じるエピソードがありました。
12月23日、まだ冬休み前で館内がとても静かだった日。
魚のエサが入ったかごを片手に持ち、順番に給餌をしていました。
「河口の魚」水槽の給餌は、スズキのお腹は膨らんだかな?とか、カワアナゴはどこにいるかな?など、水槽の裏側からだけでは確認しづらいので、何度か観覧側と裏側を行き来しながらエサを与えます。
途中から小さな男の子が水槽をのぞいていました。
給餌が終わり、わたしが観覧側から最後の確認をしようとした時も、その男の子は水槽をのぞいていました。
どうやらこの水槽に1匹だけいるアカエイを探していたようです。
この時アカエイは、水槽の死角にいて見つからなかったので、
私も隣にしゃがんでアカエイが姿を現すのを待つことにしました。
「今日もアカエイはいっぱいエサを食べたんだよ」
「今日のエサはサバだったんだよ」
「いっぱい食べてお腹膨らんでると思うよ」
などと話しかけていると、男の子の目が輝くのが分かりました。
そしてついにアカエイが姿を見せると、男の子は飛び上がって大喜び!!
お母さんも「お腹ふくらんでるね」「見られてよかったね!」と言いながら、男の子と一緒になってアカエイの登場を喜んでくれました。
「お腹がいっぱいになった日は、午後からは砂に潜って休むんだよ」
と、お話してお別れしました。
その後、ほかの水槽の給餌をすべて終え、この場所を通りがかると、
さきほどの男の子はまだ河口の魚水槽の前に!
まだいるー!!!
しかも、今度はお母さんのスマホを借りて、カシャカシャカシャカシャと泳ぎ回るアカエイの写真を連写していました。
本当にこの水槽のアカエイを気に入ってくれてるんだなと、感謝感激です。
そしてこの男の子のペースに合わせて、待っていてくれるお母さんにも頭が下がります。
その日の午後のアカエイの様子。水槽手前の砂に潜っていました。
取材などでインタビューを受けると「飼育スタッフが一番うれしいことって何ですか?生き物が繁殖した時ですか?」ってよく聞かれます。
確かにそれもうれしいのですが、
飼育スタッフが一番うれしいことは、「いいと思っているものをいいと思ってもらえること」。
やっぱりこれです。
新しい年が始まりましたが、「水槽を見てくれる人」を意識して、精進したいと思います。