これもナマズの仲間?
2017.09.30 (土)
野口
暑い夏もおわり、秋の気配が日に日に濃くなってきました。 この夏からスタートした企画展「世界のナマズ大紀行」も、 夏休みに多くの方にご覧いただきました。 今回の企画展では、世界中にいるナマズの仲間を紹介しております。 企画展の展示以外にも、館内の常設の水槽には たくさんのナマズの仲間がいますので、改めて注目していただくために このように種名板も色を変えております。 諸説ありますが、日本には13種のナマズの仲間がおり そのうち9種のナマズを、この企画展の開催中に展示予定しています。 そして世界には、ユーラシア、アフリカ、オセアニア、南米、北米の 各大陸にナマズの仲間が生息しており、約3,700種いるといわれています。 さらに、毎年新種が報告されているというので驚きます。 今回の企画展を開催するにあたり、 限られた水槽とスペースで、いかにナマズの多様性を表現するか悩みました。 分類群ということで整理すると、 絶滅したものも含めると全体で42科に分類されており、 今回の企画展では常設展示のものも含め、30科のナマズを展示しております。 種類数や個体数でいくと、約80種630個体ほどになります。 今現在、世界で一番多くのナマズの仲間がみられる場所といっても 過言ではないでしょう。 多種多様なナマズを展示すべく 企画展が始まるまでのおよそ半年の準備期間で情報を収集し、 各方面からご協力いただきナマズを収集しました。 海外のものを現地までということはなかなかできませんが、 日本のものは可能な限り協力を得て収集しました。 レイアウトに使う砂や流木や石も、 ナマズの生息地で収集したものもあります。 他にもナマズ類の産卵行動を撮影したいと思い、 ナマズやビワコオオナマズの産卵を見るために 現地まで何度か足を運びました。 そして、当館のスタッフがナマズの産卵動画の撮影に成功しました。 もちろん今回の企画展で使わせていただいております。 日本のナマズについては、こうやってこだわりを追求できるのでいいですね。 そして、今回の企画展で早めに紹介しておきたい種がいます。 アストロブレプスというナマズの仲間です。 南米に生息しており、川の上流の渓谷のような場所で見られるようです。 そのため、水温もやや低めを好みます。 見た目も変わっており、狭いところや石の裏などに入り込んで くっついたりできるようになっております。 泳ぐときも底を這うようにして移動します。 このナマズはごくまれに日本に輸入されるようですが、 専門の方でもはじめてみたという声が多くありました。 渓流のような場所にいるので採集も困難であることや、 低めの水温を好むため南米から日本へ輸送する途中に 水温があがってしまうと死亡してしまうことが多いので、 冬場でないと輸入が難しい、などの事情もあるようです。 このように色々な問題が多いので、 日本では取り扱いを避ける場合が多いとのことです。 今回の企画展ではなんとか一個体展示できておりますが、 今まで飼育したことのない未知の魚です。 今後どうなるかわかりませんので、 ぜひ今のうちにご覧いただきたいと思います。
カテゴリー 企画展・特別展示
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