岐阜県のカメがせいぞろい!
2022.11.06 (日)
みなさまこんにちは。
日中でも肌寒くなってきた今日このごろ。私たち人間にとっては食欲の秋ですが、当館で飼育している爬虫類たちはすっかり摂餌意欲が落ちてきたところです。
さて、10月25日より3階「里山の生き物水槽」にてミシシッピアカミミガメの展示を開始しました。アルビノのジムグリからのバトンタッチです。
向かって左側のスペースに幼体が、右側のスペースに成体が入っています。
ブースでは、今年5月に公布された外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)を改正する法律の内容を中心に、ミシシッピアカミミガメにまつわる外来種問題について解説しています。
より詳しく知りたい方は環境省のホームページをご覧ください。WoWキツネザルさんの動画などは必見です。
ミシシッピアカミミガメの展示を開始したことで、私はひっそりと満足感に浸っていました。……それは、岐阜県の野外でみられるカメ全種をお客さまにご覧いただけるようになったからです!
では、順番にご紹介して参りましょう。
まずは、ニホンイシガメです。
日本固有種で、岐阜県レッドデータブックでは準絶滅危惧種として指定されています。平野部よりも山間部でよくみられます。甲長は最大20cm程度と、他の種に比べて小柄です。
続いて、ニホンスッポンです。
水生傾向が強いカメで、産卵期のメスをのぞいて陸上を歩く姿はあまり見かけません。現在展示している個体は、今年9月から仲間入りしました。長くバックヤードで飼育されていた個体ですが、他の魚を食べてしまわないかなど慎重な観察が行われつつ、デビューに成功しました。
こちらは、クサガメです。
かつては日本在来種とされてきましたが、化石や古文献の記録が確認されないことから、現在では江戸時代以降に朝鮮半島や中国から移入したものと考えられています。捕まえるとくさい臭いを出します。
最後に、ミシシッピアカミミガメです。
アメリカ合衆国南東部およびメキシコ北東部原産で、ペットとして輸入され野外へ遺棄された個体が日本に定着しています。今では、日本の多くの河川でもっともよくみられる種です。
いかがでしたでしょうか。ミシシッピアカミミガメは期間限定ですので、この4種がそろっているのは今だけです。ぜひご来館いただき比較してみてくださいね。
他にも、岐阜県ではカミツキガメ、ワニガメをはじめとする何種もの外来のカメが発見されています。今のところ定着はしていないとされていますが、今年10月に岐阜市内でカミツキガメの幼体が捕獲されたニュースは記憶に新しく、とても心配なところです。
日本の生態系を守るためにも、ペットは生涯飼い続けられるかどうか事前に十分検討するとともに、現在飼育している生き物を野外へ遺棄することがないようにお願いいいたします。