「ちがい」をわかりやすく伝えるための工夫
2022.11.12 (土)
みなさま、こんにちは。
企画展「ココがちがうんです!~生き物の見分けは難しい!?~」ですが、残り約1か月となりました。
長期の企画展でしたが、始まってしまえば、あっという間に過ぎてしまいますね。
館内での展示やこちらのコラムだけでなく、インスタグラムによるライブ配信でも生き物の見分け方をご紹介してきましたが、みなさま、ご覧になっていただけたでしょうか?
1回目は、7月29日(金)にカワムツとヌマムツ、ベンケイガニとクロベンケイガニ、ミナミメダカとキタノメダカの見分け方を紹介しました。
2回目は、9月15日(木)にツチガエルとヌマガエル、タゴガエルとネバタゴガエルの見分け方を紹介しました。
3回目は、10月30日(日)にネズミ、モグラ、コウモリの仲間について紹介しました。
まだ見ていないという方は、インスタグラムにアーカイブが残っていますので、ぜひご覧くださいね!!
さて、ここからが今回のコラムの本題です。
この企画展は「生き物の見分け方」を、ご覧になっているみなさまにわかりやすく伝える必要がありました。ちがいがあるとはいえ、生き物そのものを見ただけでは、やはり見分けることは難しいです。
そこで、イラストと生き物を見比べながら観察してもらうことで、よりわかりやすくちがいを伝えることができるのではないかと考えました。
企画展の解説で使用しているイラストは、全てスタッフの手作りなんです。(知らない方も多かったのではないでしょうか?)
作成するにあたり、大変だったポイントをいくつか紹介さていただくと・・・
まず、ちゃんと「イラスト」にすることです。
作成開始当初につまづいたところなんですが、生き物の色合いや形をリアルに描きすぎると、イラストとしては、わかりづらくなってしまうんです。それなら写真で良いのでは?となってしまいます。
ちがいがあるとはいえ、似ている種を展示するので、イラストを見て、全くちがうと思われてはいけませんし、似ている中にちがいをつけるのは、なかなか苦労しました。
こちらは、ヌマムツとカワムツの最初に作成していたイラストです。
ここから、色や線を単純にすることで、わかりやすいイラストにしていきました。
最終的には、こちらのイラストになりました!
次に、ちがいの書き方です。
生き物のちがうポイントって意外と曖昧なものが多いんです。
カマツカ3種のちがいとして、模様のちがいがあるのですが、「くっきりしている」「ややぼやけている」「ぼやけている」などで表現されているんです。
これをイラストで表現するのが、とっっっても難しかったです!!
なかなか納得がいかず、カマツカ3種は、何パターンも作りました。一番苦労したイラストでした。
試行錯誤を繰り返しなんとか表現できたときは、達成感がありました。
そして最後は・・・いつもよりも作成数が多いことです!!
ちがいを表現するためには、最低でも2種で1組になります。いままでの企画展の倍以上のイラストを作成したのではないかと思います。
作成したイラストは、見分け方のイラストだけでも、23コでした。
途中で心が折れそうになることもありましたが、なんとか全て作成し、企画展を開催することができました。
今、「ココがちがうんだって~。」と、イラストと生き物を見比べながら水槽をご覧になっているお客様を見かけると、作成してよかったなと改めて思います。
企画展は、12月11日(日)までの開催となっていますので、ぜひ、イラストを見ながら、生き物のちがいを見つけに来てくださいね!お待ちしております。