箱をあきらめて~2022夏~
2023.04.06 (木)
「輸送箱が届いていない・・・!?」
それは展示するオオヒキガエルを捕獲するため石垣島へ旅立つ前夜、
協力者から投げかけられた言葉でした。
今回はオオヒキガエル捕獲の顛末についてお話しいたします・・・。
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ヒキガエルの企画展を計画するにあたり、
「日本に生息しているヒキガエル5種類は全部展示したい!」
と強く考えていた私。
外来生物として定着している石垣島へ出張し、
現地の状況を視察するとともに、展示個体を捕獲することにしました。
オオヒキガエルは外来生物法で「特定外来生物」に指定されているため、
飼養、栽培、保管、運搬をすることができません。
研究や展示などの目的の場合、許可を得て飼養等をすることが可能とされています。
許可を得るためには、飼育する施設の場所、飼育ケージや展示水槽の写真や図面、そして今回は石垣島で捕獲し、飛行機で運ぶため、輸送箱の写真や図面など、たくさんの書類が必要となります。
今回輸送に利用する航空会社にも、事前に輸送ケージを確認してもらいました。
今回の石垣島出張では、現地在住で生き物イラストレーターのさちこさんに協力してもらえることになっていました。
出張日も決まり、事前にオオヒキガエル輸送箱もさちこさん宅へ送らせてもらい準備万端。
ウキウキです。
そして出張前夜。
冒頭のセリフを口にすることになりました。
私「明日からよろしくお願いします!」
さちこさん「よろしくお願いします!
ところで輸送箱が届いていませんが大丈夫ですか?」
私「・・・・・え?輸送箱が届いていない・・・!?」
(そんなバカな!一週間前には送ったはず!)
あわてて配送状況を確認すると、なんと、輸送箱はまだ岐阜にあることになっているではありませんか。
オオヒキガエルを輸送するには、あの輸送箱でなければなりません。
輸送箱がなければ、捕獲することもできず、私が石垣島へ行く意味がありません。
「どうしようどうしよう…」と珍しく食事が喉を通らないほど狼狽え、
私の顔は石垣島の海よりも青ざめたまま、中部国際空港を飛び立ったのでした。
後から分かったのですが、送るものの大きさやその時の状況で船便に振り分けられることがあること。
船便だとだいたい10日はかかるということ。
そして、配送状況は石垣島に着くまで更新されないということ。
自分の準備不足、確認不足で後悔しきりです。
しかし、もう届かないものは仕方がありません。
もう一つの目的、オオヒキガエルの生息状況や現地の様子をしっかり観察して、
展示に活かすことだけは達成できるように気持ちを切り替えました。
さちこさんの案内で、市街地を走ると早速ブロックの上にオオヒキガエルが!
他にもサトウキビ畑沿いの道路にも大小さまざまな個体がどんどん見つかります。
石垣島の平野部では、増え続けていることを実感しました。
結局、最終日まで輸送箱は届かず、石垣島を飛び立ちました。
翌日、さちこさんから連絡がきました。
「輸送箱が届いたよ」と。
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いかがでしたでしょうか、私のオオヒキガエル捕獲未遂顛末記。
その後、さちこさんや他のスタッフに協力してもらいながら、なんとか展示にこぎつけました。
私の様々な思いがつまったオオヒキガエルの展示は4月9日(日)まで。
あと少しで終了です。ぜひ見に来ていただければ嬉しく思います。