減らない外来種
2023.11.14 (火)
こんにちは。
非常に暑かった今年の夏。
ここ岐阜県では、
「長良川上流のため池で、コクチバスの成魚と稚魚が確認され繁殖していることが明らかに」
「国外外来種のチョウセンブナが県内で初確認、木曽川水系では約60年ぶりの発見」
など国外外来種に関するズシーンと重たいニュースが相次ぎました。
こちらは長良川ではありませんが、夏に岐阜県内の川で撮影したものです。
20~30cmのコクチバスが群れていました。じつに堂々と。悲しい光景です。
外来種は人間活動によって他の地域から運ばれた生き物のことで、その中で生物多様性を脅かすおそれのあるものを侵略的外来種といいます。
また、さらにその中でも、生物多様性や、農業・水産業、あるいは人に危害を与えるなど大きな損失をもたらす生き物は、外来生物法により特定外来生物に指定されています。
コクチバスは特定外来生物に指定されており、法律により野外への遺棄が禁止されている生き物ですが、冒頭の長良川上流のため池で発見されたコクチバスは、ここ1、2年で密放流された可能性が高いとのこと。また、それらの個体が繁殖し長良川へ流出しているようです。
特定外来生物に指定されて20年近くたちますが、このように未だに人目を盗んで放す人がいるのが現実です。
放されれば、高い環境適応能力と繁殖能力により、どんどん数を増やしていくため、行政を中心に様々な人や機関が防除活動をしなければならなくなります。
それらには膨大なコスト〈税金もふくまれます〉がかかっていることを思えば、ふだん水辺の生き物とは縁のない生活を送っている方々にも損失を与えているといえます。
このような現状をお伝えすべく、11月14日より特定外来生物・コクチバスの展示を開始しました。
皮肉にもコクチバスは至極かっこいい魚です。
しかし、非常に貪欲でアユも食べるし、ウグイも食べるし、サケ科魚類もテナガエビも食べます。やっぱり日本の川にいるべきではない魚なのです。
展示をご覧いただき日本の水辺環境について考えていただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。