わたしの自由研究
2023.08.26 (土)
こんにちは。夏休みも後半戦。
生きもの大好きな小学生から自由研究の進め方についての質問をたくさん受ける今日この頃です。
さて、私もこの夏の課題として、
①カニの幼生を安定して稚ガニになるまで育てる。
②それを展示して来館者の方々にカニの子ども時代の姿をご覧いただく。
というのを掲げていました。
カニの幼生を育てるためには、何が必要でどのようにして飼育するか…。調べて予想して、準備して。そして、実際にやってみて、記録をとって…。という過程は、まるで夏の自由研究です。
カニの幼生の育成は、河口の干潟にすんでいるハマガニとアシハラガニの2種で試してみました。
ハマガニ ↓
アシハラガニ ↓
上の写真のように、展示水槽で卵を抱いたメスを見つけたら、隔離をしてふ化を待ちました。そして、たくさんの幼生を得ることができました。
ふ化して間もないハマガニのゾエア幼生はこんな形 ↓
ふ化して間もないアシハラガニのゾエア幼生はこんな形 ↓
同じ向きで写真を撮るのが難しくて写真からは分かりにくいのですが、見た目はそっくりです。ただ、ふ化した時点ではハマガニのほうがずっと大きいです。
そして、数度の脱皮の後にメガロパ幼生に変態するのですが、
ハマガニのメガロパ幼生はこんな形 ↓
アシハラガニのメガロパ幼生はこんな形 ↓
これも光の加減で色が違って見えますが、やはりそっくり。
メガロパ幼生になるとあまり浮遊せず何かにしがみつくので、しがみくための物と、共食いを避けるための隠れ家を用意する必要がありました。
そして、もう一度脱皮して稚ガニに変態。
稚ガニになりたてのハマガニはこんな姿 ↓
稚ガニになりたてのアシハラガニはこんな姿 ↓
すこしハマガニのほうがとげとげして見えます。
この2種のゾエア幼生を稚ガニまで育てるのは想像していたよりも簡単で、
①カニの幼生を安定して稚ガニになるまで育てる。
という課題①はクリアできました。
そして次は課題②です。いよいよそれらをお披露目する段階になりました。
ハマガニはもうだいぶ大きくなっているので、展示するのはアシハラガニのゾエア幼生+稚ガニ。(時期によってはメガロパ幼生も)
展示場所は、成体と比較できるように、アシハラガニの展示水槽のすぐ近くにしました。
展示設備はこじんまりしていて、内部も決して立派なものではありませんが、ぜひ元気に育っているカニの子どもたちを見ていただきたいです。
みなさまに喜んでいただけたら、課題②も達成となりますので、ぜひぜひお願いいたします。
アシハラガニは干潟に行けばたくさん出会える、いわば普通種ですが、
そんな普通種の知られざる子ども時代は、見ていても育ててみてもとても楽しかったです。