魚へんに砂糖
2024.03.18 (月)
こんにちは。春ですね。
水族館周辺は3月20日あたりから桜が咲くそうです。
例年ですと、ちょうどそのぐらいの時期に展示槽のヒキガエルたちも産卵するので、みなさまお楽しみに。
さて、今日は現在開催中の企画展「Discovery!! ~新種はどうやって見つかるの?~」で展示している、かわいらしい魚の紹介です。
「魚へんに砂糖」という創作漢字を与えてもらった「コンペイトウ」です。
しかし、このコンペイトウ、ある時はナメフウセンウオ、そしてまたある時はコブフウセンウオと呼ばれています。
なぜ3つも呼び名があるのか?!
じつは、この魚、成長段階や性によって体の表面のコブの具合が変わるんです。
そのため、見た目の違いから3種の魚(コンペイトウ、コブフウセンウオ、ナメフウセンウオ)と考えられていました。
しかし、卵から育てて飼育してみたところ、コブフウセンウオもナメフウセンウオも、じつはコンペイトウだった!という驚きの発見が、北海道大学の研究グループによって2015年になされました。
今回の企画展で紹介しているのは近年新種として記載された生き物で、たとえば1種だと考えられていたもののなかに複数種がいた。という経緯で新種記載につながった生き物が多いのですが、コンペイトウだけは(新種ではなく)その逆のパターン、3種だと考えられていたものが1種だったという逆の研究成果もありますよ。ということをお伝えするために展示しています。
企画展のテーマがちょっと難しく、解説文もややこしいものが多い中で、
このコンペイトウの存在はちょっとした「癒し」となっているようです。
みなさま、たくさん写真を撮ってくださいます。
そういう私も、
といった具合に、たくさん撮っています。
たくさんの水族館で飼育されている人気者のコンペイトウ。
この先も、ずっと展示してみなさまに楽しんでいただけるようにと、(一社)日本水族館協会の魚類繁殖委員会において、水族館同士が連携して魚の繁殖技術の確立を目指す対象種に選定されています。
※くわしくはリンクをご覧ください。水族館同士の連携から生まれたコンペイトウ | 一般社団法人日本水族館協会のプレスリリース (prtimes.jp)
今回展示している10個体も、その取り組みの中で産まれたものです。
ぜひご覧いただいて、お気に入りの1枚を撮影してくださいね。