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ド派手なウナギ!?

2024.05.18 (土)

佐藤

みなさまこんにちは。

展示飼育部の佐藤です。

 

今日、紹介するメコン川の魚は、タイヤトラック・スパイニィイールです。

メコンオオナマズが泳ぐメコン川中流の魚水槽で展示していますが、お客さまが来館される日中は土管の中に隠れていて、なかなかその姿を見せてくれません。

 

スパイニィイールとは「トゲのある(spiny)」「ウナギ(eel)」という意味です。背中には小さな硬い棘(きょく)とよばれるトゲがたくさんあり、体形はウナギに似ていますが、トゲウナギ科というウナギとは全く別の仲間に属します。

 

 

私が魚の調査をしていたカンボジアには7種類のスパイニィイール(トゲウナギ)がいます。しかし、それぞれ種によって好きな水辺環境がちがうため、一度にすべての種類に出会うことはありません。

 

 

今回紹介しているタイヤトラック・スパイニィイールはその中でも出会う頻度が多い魚で、水田の細い水路や広いメコン川の本流でも見ることができます。

細い水路や小さな川では手アミや投アミを使って魚採りをしますが、派手な模様をしているので、この魚がアミに入るとすぐにわかります。

 

 

また、広いメコン川では潜って調査をしますが、私は水中でこの魚を探す調査が大好きです。

 

 

この魚の名前にもあるように、タイヤ模様のような派手な体色をしているため、目立ってしまうのでは?と想像されるかもしれませんが、意外とまわりの環境に溶け込んでいる模様だと思いませんか?

 

 

水中でこの魚を見つけた時には近づいてじっくり観察します。

メコン川で水中メガネをつけて潜る人なんて、めったにいませんので、岩の隙間に隠れて生活しているスパイニィイールの多くは私に気付いても、逃げることなく、いろいろな仕草を見せてくれます。

 

 

反対に、岩などがない砂地の広い場所でウロウロしている個体に出会ったときは、

おちつかない様子でなかなか近づくこともできず、じっくりと観察させてくれません。

 

 

当館の水槽ではかくれキャラ的な存在ですが、来館されるお客さまにこの魚を見ていただくためにはどういう工夫が必要なのか?

メコン川で観察してきた経験を活かして、知恵をしぼっていきたいと思います!

 

最後までお読みいただきありがとうございます。

それではまた!

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カテゴリー  アクア・トトの生き物
キーワード 佐藤
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