世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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はじめての新規展示

2024.10.27 (日)

山下

みなさま、こんにちは。

新入社員の山下です。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

今回は初めて新規展示を行った生物について紹介しようと思います。

その生物とは、こちら!

そう、アメンボです。

知らない人がいないほど有名な生物だと思います。

今回はアメンボを展示しようと思った理由について、その後でアメンボの特徴についても少し紹介しようと思います。

 

アメンボ、本当にいろんな場所で見ることができます。

流れの緩やかな河川、水路、池、ちょっとした水たまりなどに生息する、非常に身近な生物の1種です。

しかし、その姿を間近でじっくり見たことがある人は少ないのではないでしょうか。

広い場所で観察しようとすると案外素早いです。

私も種名板用に写真を撮ろうとしたら…

残像を撮影してしまうことが多々ありました。

このように非常に身近ですが、間近での観察がしにくい生物だと感じました。

 

そのため、水槽にいる様子を多くの人に見てもらい、身近な生物も近くでしっかり見ると面白いことを体感してもらおうと思い、展示をしようと考えました。

 

一応以前にもテーマ水槽で展示したり、どこからともなくワンド水槽に飛んできたりして、一時的に展示していたこともありました。

しかし、種名版を作成しての展示は、先日20周年を迎えたアクア・トト ぎふの長い歴史の中でも初めてのことです。

なんとも意外ですね。

現在は里山の生きもの水槽のエリアで、タガメと同じ水槽で展示をおこなっています。

 

ここからは、種名板作成のためにアメンボについて調べた中で面白かった特徴を紹介していきます。

アメンボは水生昆虫の1種です。

水生昆虫というと、タガメやゲンゴロウのように、水中にいる昆虫の姿を想像する人がほとんどかと思います。

ここで水生昆虫の定義を調べてみると、生活史の少なくとも一部分を水中、あるいは水面で生活する昆虫のことだそうです。

アメンボは体に細かな毛が生えており、非常に軽い体を表面張力によって支え、水面に浮いて生活します。

 

 

つまりれっきとした水生昆虫なのですね。

しかし、常に水面に浮いているのかというと、そうではありません。

意外と植物に登っている姿をよく見ます。

さらに、産卵の際は潜水し、水中の植物などに産卵することが知られています。

なんとも驚きです。

そしてどうやら展示水槽内で繁殖していたらしく、新しく生まれた幼虫がたくさん孵化しています。

こんな感じです。

非常に小さいので、よーく見ないとわからないかもしれませんが、ぜひ水面をじっくり探してみてください。

成虫と比べると、こんなにも大きさが違います。

成虫の左下に幼虫が写っているのがわかるでしょうか。

幼虫は成虫になるまでに5回脱皮をおこないます。

脱皮のたびに一回りずつ体が大きくなります。

アメンボを飼育し始めたころは、脱皮殻を見て「死んだの!?」と驚いたこともありましたが、そのたびに大きく成長したアメンボを見て安心していました。

 

 

まだまだいろんな特徴がありますが、長くなってしまうのでもう1点だけ。

アメンボのにおいについてです。

アメンボという名前は、漢字で書くと「飴ん棒」、つまむと焦げた飴のようなにおいがすることからこの名前が付いたと言われています。

気になるので、実際につまんでにおいを嗅いでみました。

すると…確かににおいがします!!

焦げた飴、というのはよくわかりませんが、美味しい食べ物がいい感じに焦げたような、香ばしいにおいがしました。

アメンボは臭腺(しゅうせん)という器官をもち、そこからにおいを出すことが知られています。

普通に美味しそうに感じてしまいました…。

 

ここまでいくつかの特徴を紹介してきましたが、みなさんも知らないこともあったのではないでしょうか。

こんなに身近な生物にも、実は知らないこと、面白いことがこんなにあるのかと感じていただけたら嬉しいです。

そしてぜひ、展示しているアメンボをじっくり観察してみてください。

 

それではまた次のコラムでお会いしましょう!

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カテゴリー  アクア・トトの生き物
キーワード 山下
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