2年半ごしのウグイ
2024.11.23 (土)
堀江真
こんにちは。3階「ゆるい流れの魚」水槽には、ここ最近大きくて立派でかっこよいウグイが悠々と泳いでいます。
じつはこのウグイたち、2年半前はこんな姿でした。
大きさは約1cm。
2年前の初夏に長良川の流れのゆるい場所で、水面付近を泳ぐ稚魚の群れを見つけて、
これは何の稚魚だろう?と調べるために数匹持ち帰ってきました。
調べたところ、どうやらウグイだろうということが分かり、
大きく育てて必ず展示水槽にデビューさせよう!と大切に育ててきました。
「ゆるい流れの魚」水槽には大きくて魚食性のナマズもいますから、相当大きく、25cm以上にしないとデビューは難しい。
しかし、その反面、遊泳力のあるウグイをそこまで大きくさせられる予備槽がはたしてあるか?いや、あるにはあるのですが、「なんかマイナー?」といわれがちなウグイのために、はたしてその予備槽を使ってよいものか?という懸念もありました。
みなさまご存じのように、当館にはピラルクーやメコンオオナマズやタイガーフィッシュなど大型の看板魚がいますから、大きな予備槽はそういう魚で埋まりがちです。
と、頭の中では思いつつも、大きな長良川産のウグイを展示してこそアクア・トト ぎふ。
抜け目なくベストな予備槽を確保して、育てること2年半。ついに展示デビューできるサイズにまで育てることができました。
ウグイの魅力は、オレンジ色の婚姻色ではありますが、婚姻色の出ていない時期の銀色に輝く滑らかな体も、しゅっとした鼻先も、美しい流線形も、どこをとってもかっこよい、いい魚です。
「ゆるい流れの魚」水槽前で、ウグイの魅力に「はっ!」とされるお客さまが続出するのでは?と楽しみにしています。
カテゴリー 日本の淡水魚
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堀江真