世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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タカハヤの卵と孵化仔魚

2025.03.19 (水)

堀江真

こんにちは。

春がきましたね。

 

春といえば、多くの日本産淡水魚が繁殖シーズンを迎えるわけですが、今年の春一番、最初の産卵はタカハヤでした。

 

当館ではこれまでにも展示水槽でタカハヤが自然繁殖することがあり、ふと見ると稚魚が群れていたことがあります。砂利に潜って産卵行動をしているところも一瞬ですが一度だけ見たことがあります。

 

ですが、やっぱり卵を見てみたいし、孵化したての仔魚を一から育ててみたい。

 

 

そこで、予備槽で飼育しているタカハヤのお腹がふっくらと膨らんだタイミングで、産卵床となる砂利をこんもりと入れました。

産みつけられた卵への水通しをよくするため、砂利の中に水を通して湧水にしてみました。

 

 

すると、次の日にはもう卵がありました。

回収したての卵はこんな感じ↓

 

 

次の日もその次の日も、今のところ5日連続で卵が産みつけられており、300個以上の卵を回収しています。

 

 

卵にはやや粘着性があり、砂利についているものもありました。

 

 

卵は真ん丸ではなく、ちょっとだけ楕円形。ノギスを当てて測ってみたところ2.6mm×2.2mmぐらいでした。

 

 

卵は透明なので、内部の成長がよくわかります。

かわいいし、神秘的です。

 

 

そして5日目に孵化が始まりました。

こちら全長6.4mm。

じっと底に横たわっているのできれいな写真が撮れます。ありがたいです。

 

 

魚それぞれで、卵や孵化仔魚の色・大きさ・形に違いがあり、なぜこの大きさなんだろう?なぜこういう形なんだろう?と考えるのが楽しいです。今回のタカハヤの卵のおもしろいところは真ん丸の球体ではなく、ちょっと楕円体なところでした。

 

 

バックヤードツアー(事前申込制)にご参加いただくと、これからの季節は色々な生き物の卵や仔稚魚、幼生がご覧いただけます。ぜひこの機会にご参加ください。

 

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カテゴリー  アクア・トトの生き物日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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