クリオネ展示に向けて
2018.08.27 (月)
今日は企画展「ゾクゾク水ゾクッ館」の中で、“かわいくてゾクッ”で紹介している、あの人気もののお話です。
今回の企画展の展示種を決める話し合いで、“お子様も喜ぶクリオネを展示したいよね”という意見があがりました。
暑い夏に冷たい海に生息するかわいいクリオネを見たら、きっと楽しんでもらえるんじゃないか、と展示することになりました。
クリオネは2℃~4℃の低い水温に生息しています。
そのため、水槽のアクリル面に結露が出来てしまうことが展示する際の課題でした。
企画展がスタートする2ヶ月頃から、展示に向けて結露の問題をどう回避するか、試作を始めました。
実際に予備水槽で2℃まで冷やすと、アクリル面は結露で真っ白。
何も見えません。
これはまずいと結露防止シートを貼り付けたところ、予想以上にきれいに見えたので、この問題は解決できたかと一安心でした。
次にクリオネ展示の際は、クレーゼル水槽という円形の水槽で水を循環させて、水槽に水流を起こす必要があります。
こうしないとクリオネは底に沈んでうまく飼育できないのです。
以前使っていたクレーゼル水槽を探すと、割れてしまって、すでに破棄済みとのこと。
購入すると結構お高い水槽です。
迷って、迷って、迷った挙句、結局はお手製の水槽を作ってみることに。
アクリルを切り出し、熱をかけて丸く曲げて、接着剤で接着して丸い水槽を作りました。
丸くない部分も少しありますが、いい感じの仕上がりです。
早速、排水の穴を開けて一度試しに循環を回してみました。
クリオネの代わりにフィルムテープを入れてうまく回るか見たところ、クルクルとフィルムテープが水槽内を回ってくれたので、お手製のクレーゼル水槽の完成です。
あとはクリオネの到着を待つばかりとなりました。
企画展で展示する生き物の多くは、普段はアクア・トト ぎふにいない生き物が多いため、随時搬入を進めていきます。
クリオネは企画展スタート日のわずか3日前の搬入となりました。
今回のクリオネはダイオウグソクムシと共に新江ノ島水族館からお借りすることに。
営業のスタッフと江ノ島まで、日帰りで車で受け取りに行きました。
片道約4時間、クリオネたちを無事に岐阜まで連れて帰らなければならないのですが、何せこの猛暑!!
車のエアコンをガンガンにきかせても、クリオネの入った氷入りの発泡スチロール箱の温度はみるみる上がります。
途中で高速のパーキングに止まり氷を追加したり、クーラーボックスに入れ替えたりして、水温を調整して岐阜までなんとかたどり着きました。
クリオネを水槽の中に入れ、水流でクルクルと回る姿を見て、ほっと胸をなでおろしました。
かわいい姿に“ゾクッ!”としてみてください。