世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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シマヨシノボリぃ!

2019.06.25 (火)

堀江真

こんにちは。

今回はヨシノボリの仲間の中でも、婚姻色が神秘的なシマヨシノボリをご紹介します。

北海道をのぞく日本全国に分布しており、顔に赤いミミズ状の模様があるのが特徴です。

当館では、「長良川の上流から中流」コーナーでアユと一緒に展示されています。

普段は上の写真のような色合いをしていますが、

春から初夏の繁殖期になると、オスもメスもお腹が明るい青色になります。

特にメスは宝石のサファイヤのようにきれいな色になり、なんとも神秘的。

このお腹をオスの目の前にだして、積極的に求愛するんだそう。

すごい色ですよね。本当にきれいです。

 

シマヨシノボリがすむ場所は、おもに川の中流です。

中流の中でも、浅くて流れが速い平瀬とよばれる場所の石の下に隠れています。

川の水量や場所によっては、流れがとても速く、白波がたち水中は気泡だらけの場所でもあります。

こんな場所では、ぱっと一目でわかるサファイヤのようなお腹がよく目立つのかもしれません。

 

ところで、アクア・トト ぎふではこれまでに、カワヨシノボリ、ゴクラクハゼ、トウヨシノボリ、トウカイヨシノボリの4種のヨシノボリを、繁殖により増やすことができているので、採集する必要はほとんどなくなりました。

唯一、このシマヨシノボリだけが産卵にいたらず、

展示個体確保のために、ときどき採集に行かなければなりませんでした。

 

しかも、上記の4種に比べると、シマヨシノボリは格段に捕獲が難しい上に、写真のように少しでも川の水位が高いと、流れが速くてポイントまでたどり着けないこともあり、悩みの種でもありました。

それが…今年、なんと初めての産卵がみられました!

ありがとう、シマヨシノボリぃ!!!

これが卵です。6月11日に産卵していました。

まだ、育ったわけではないので安心するのは早すぎるというのは分かってます。

現在は、3mmほどのふ化したての仔魚がいますが、

見た感じでは、育てるのに、大変苦労しそうな雰囲気をだしています。

 

でも、とにかくありがたいし、喜ばしいです。

 

採集に頼らなくても展示が維持できるように。

シマヨシノボリの仔稚魚を育てることが、この夏のわたしの目標となりました。

 

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カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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