世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

喜びに打ち震える初春

2011.03.01 (火)

田上

やりました!

私がこの時期にこういう報告をするということは、

そう!サンショウウオが繁殖したよということです。

 

まずは、此方。クロサンショウウオです。

kurorannou.JPG

岐阜県白川村産で、繁殖場所である湿地に水が堪らなくなってしまった、いわば危機的な状況にある個体群です。

(昨秋、NEXCO中日本さんらが新たに遮水シート埋設工事を行ってくれたので、今年は大丈夫でしょう!)

一昨年、この個体達の繁殖に成功して、去年は「今年もよろしく、クロサンショウウオちゃーん♪」とたかをくくっていたら、

1匹も産卵しないという、まさかの結果に茫然としたことも今となっては良い教訓です。

そもそも、一昨年は受精率がすごく悪かったので、どちらかといえば、マグレに近かったのかもしれません。

去年の失敗をもとに、環境を改善した結果、この結果です!

比較的卵のうの色の薄いものを観察すると、どうやら受精している模様。

(クロサンショウウオの卵のうは、他種と違い透明ではないので、なかなか判断が難しいです)

 

kuroosu.JPG

<カメラを構えていたら、オスが近寄ってきました。「何撮ってんじゃコラー」と言ってそうなくらい、イカつい立派な体型です。>

 

次はホクリクサンショウウオ!

hokurikurannou.JPG

これは昨年から飼育をスタートした種です。

岐阜県内には生息していませんが、環境省レッドリストにおいて絶滅危惧ⅠB類に指定されている、

いわば、非常に危機的な状況にある種です。

日本動物園水族館協会の種保存委員会でも対象種に指定されており、

昨年から当館でも担当園館として、域外保全に取り組むことになりました。

そして、初めての繁殖期をむかえ、見事産卵と相成りました。

(サンショウウオ展開催時のブログでも、いずれコイル状の卵のうを皆さんにお見せしますと宣言していました)

 

約束は守る男、見た目よりは口は固い男、として有名な私。

もちろん展示しましょう!皆さんに見ていただきたい!プリプリした卵のうを!

 

というわけで近日中に展示したいと思っています。

その時はまたご報告します。取り急ぎ。

記事URLを表示

カテゴリー  日本の両生類
キーワード 田上
前のページへ次のページへ
カテゴリ
バックナンバー