アベサンショウウオの卵のう展示開始
2011.04.08 (金)
田上
アベサンショウウオが、3月19日に産卵しました。
アベサンショウウオの繁殖期は11~12月頃です。
はっきりいって時期外れ。
オスは水中でメスを待っていましたし、メスも卵を持っているようでしたので、
いまかいまかと待ち焦がれること数カ月。
もう、10回ぐらいあきらめては、「いや、まだまだ」と思いなおす日々・・・。
発見したときは、思わずケージのフタを閉めて、自問自答してまいました。
「今、卵のうあったよね」「あった」「今、何月?」「3月」「・・・」「・・・」
もう一度そっとのぞくと、あるやん!やっぱりあるやん!
しかし、ここでうかれて小躍りしてしまうようなことはしません。
受精しているかわかりませんからね。
カスミサンショウウオにことごとく未受精卵を産ませてしまった前科者の私です。
同僚には「産んでたけど、時期も時期だし、ダメやと思うよ」などと、
ホントは期待で胸いっぱいにも関わらず、思ってもいないことを口にしてしまったものです。
その後、ようやく発生を確認できて、展示に至りました。
ちなみに、アベサンショウウオは、環境省レッドリストで絶滅危惧ⅠA類のカテゴリーで、
日本の両生類で唯一、国内希少野生動植物種に指定されており厳重に保護されています。
アベサンショウウオの飼育下繁殖は今回がおそらく2例目です。
(飼育下で産卵した卵のうの展示は、初でしょう。)
サンショウウオの仲間は、ほぼ全ての種が絶滅危惧種に指定されています。
展示を通じて、そのような現状について知ってもらえたらと思います。
カテゴリー 日本の両生類
キーワード
田上