繁殖期は一段落
2019.08.25 (日)
こんにちは。
急に涼しくなりましたね。気が付けば夏休みものこりあとわずか。
この夏のわたしは、春に産まれた稚魚や幼魚たちの世話に明け暮れる日々が続いています。
たとえば、先日のブログでご紹介した奈良県産のニッポンバラタナゴ。
ご覧のようになりました。
今年は60匹以上が育ちました。大きいものは3cmぐらいになっています。
写真のように、幼魚の背びれには白黒の模様がありますが、3cmの個体はもう消えています。
成長が速い個体は、その年のうちに早くも繁殖に加わるそうですよ。
次に、これまた先日のブログで産卵の喜びを伝えしたシマヨシノボリ。
育てられた数は12匹と少ないですが、しっかりヨシノボリの体型になりました。
産卵したのは、あの1回ぽっきりだったので、それが残念です。
かなり臆病なため、顔を近づけすぎることや振動、光でてらすなどはご法度!
水換えや移動もごくごく最小限にして育ててきたので、実は、これが初めての写真撮影になりました。なのに、背びれに糸くずがっぁ・・・無念(涙)
泥底を好む、ゼゼラ、ツチフキ、トウカイコガタスジシマドジョウも育っています。
ゼゼラ↓
ツチフキ↓
トウカイコガタスジシマドジョウ↓
ゼゼラとツチフキは、よく似た姿をしていますが、ゼゼラは水草や木の根っ子などに卵を産み付けるのに対し、ツチフキは泥底にすり鉢状の巣をつくり、その中に卵を産みます。ゼゼラの卵はぶるぶるねっちょり。ツチフキの卵はひとつひとつばらばらになりコロコロしています。
でも、どちらもオスが卵を守るところは共通しています。
↓ゼゼラの卵。卵を守っているオスの頭が見えているのですが、わかりますか?
↓ツチフキの卵。一部はこのように露出していますが、大半は泥に埋まっています。
トウカイコガタスジシマドジョウは、なんと1匹のメスが1度に産卵した卵から、
294匹もの稚魚が育ちました。
産卵前のメスのおなかはこのとおり、ぷっくり。
上から見るとさらにすごい。
ひと目で産卵間近なのがわかりますね。
そして、ウシモツゴ。
今年から、岐阜市産ウシモツゴの生息域外での保護活動に協力しています。
4月から5月にかけての1か月間産卵が続き、その結果999匹もの稚魚が育っています。
そのほか、
デメモロコ、イトモロコ、カワヒガイ、アブラボテ、ヤリタナゴ、スイゲンゼニタナゴ、ビリンゴ、カワヨシノボリ、トウカイヨシノボリ、ゴクラクハゼ、チチブ、シモフリシマハゼ、アベハゼ、アシシロハゼ、そしてハリヨにホトケドジョウ。
以上がこの春から夏に産卵し、育った魚種になります。
展示個体数を維持するため、あるいは、生息域外での保存活動のためなど、繁殖させる目的は違いますが、水槽という特殊な環境でも産卵してくれたものですから、これから先も丁寧に育てていきます。
展示水槽での都合もありますが、これから幼魚たちが随時デビューしていきますので、楽しみにしていてくださいね。
Tweet