産卵しましたよう~
2012.02.15 (水)
さぁ、はや2月に入りました。
いよいよ両生類たちの産卵シーズン到来です。
まずは、こちら。ホクリクサンショウウオ!
1月30日に産卵しました(2年連続)
ホクリクサンショウウオは環境省レッドリストにおいて、
絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
そして、お次は、アベサンショウウオ!
2月8日に産卵しました(こちらも2年連続!)
アベサンショウウオは環境省レッドリストにおいて、
絶滅危惧ⅠA類に指定されており、
さらに種の保存法で国内希少野生動植物種に指定されています。
親は福井県の個体で、
自然下ではもう少し早い時期に産卵がみられます。
やはり、岐阜と福井では気候が違っていますので、
これが多少のズレの原因になっているのでしょう。
ちなみに、このように卵でお腹がパッツンパッツンの個体もいますので、
あと1対産卵が見られると思います。
昨年、日本で初めて飼育下で生まれた卵のうを展示しましたが、
今年はちょっとお待ちください。
ぜひとも皆様に、今すぐ卵のうをご覧いただきたいのはやまやまなのですが、
アツいサンショウウオ展示を懐に忍ばせておりますので、
今展示するわけにはいかないのです。
全国各地に数十万人ともいわれるサンショウウオファンには、
いずれちゃんと埋め合わせをいたします。たぶん。
さて、話は繁殖の方に戻しまして。
この2種、どちらも屋外に設置した飼育槽で繁殖させました。
成功に至るまで色々と試行錯誤し、
それぞれの種にあわせた工夫を水槽内に取り入れています。
しかし、それだけではもちろんダメで、
繁殖させるには、気温の変化などが欠かせません。
いくら福井(アベ)・石川(ホクリク)と岐阜で気候が違うとはいえ、
同じ日本で、ましてや隣県。
季節の温度の移り変わりなどは、まぁ似たようなものです。
気温変化・水温変化・日の長さなどなど自然任せなので、
繁殖のためのキーとなる要素は、ある程度目星をつけることが出来ても、
確信をもって「コレでOK!」とは言えません。
というわけで、飼育下繁殖の技術を確立するために、
来年からはこういった環境要因を
少しずつではありますが、人為的にコントロールして取り組むつもりです。
試行錯誤はまだまだ続きます。やるぞ~!
と、皆様の前で、はや来年の抱負を述べたところで、
お話をしめくくらせていただきます。
おあとがよろしいようで。