世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
おもしろ飼育コラム一覧

水族館の困りごと・・・水垢、アクリルの傷

2020.02.29 (土)

廣瀬

最近の水族館の展示水槽には、アクリルガラスが主に使われています。

 

アクリルガラスは強化ガラスに比べて透明度が高く、耐久性に優れ、なおかつ軽量で加工がしやすいというメリットがあります。

このアクリル水槽ってガラス水槽ほど固くないため、汚れやすいし傷もつきやすいのが厄介なのです。

 

 

こちらの写真は水槽の上の部分です。

流れ落ちる水流の水しぶきによって、アクリル面に白く水垢が付き汚れてしまっています。

これは放っておくと徐々に広がっていき、水槽の生き物が見えにくくなります。

水槽の中には生物がいますので、薬品を使って水垢を取ることはできません。

 

スタッフは研磨パッドでひたすら水垢をこそぎ取ります。ただひたすらゴシゴシと時間をかけてとっていきます。

研磨パッドについている白いのが水垢です。

水垢の付き具合によりますが、きれいにするには10分~20分ほどかかる地味な作業です。

研磨パッドには粗目と細目があって、目の粗い方は水垢が良く取れます。でも粗目はアクリルも削って傷つけるので、水垢の付き具合を見極めて使い分けています。

 

アクリルに傷をつけないためにも、細目研磨パッドで取れるうちに、水垢を取るように努めていますが、水垢がひどくなると粗目と細目の研磨パッドを駆使してアクリル表面を整えていきます。

 

ひたすらアクリルをこする作業は疲れますが、きれいに水垢がとれた水槽を見ると気持ちもすっきりします。

また、展示水槽の外側(お客さん側)にも傷がつきますが、こちらは生物がいないので、自動車やプラモデル用のコンパウンドを用います。

粗目の600番くらいから傷を削っていき、傷が薄くなったら3000番くらいで周りとすり合わせをしていき、最後に8000番くらいで表面を滑らかに仕上げて傷の修復が終わります。(数字が小さいほど目が粗く、大きくなるほど目が細かくなっていきます。)

 

あまり深い傷はこのような方法でも修復が難しくなるので、傷が浅いうちに日々修復を繰り返しています。

 

生き物がよく観察できるよう、スタッフ一同、日々水槽磨きも頑張っております。

 

 

 

記事URLを表示

カテゴリー  バックヤード
キーワード 廣瀬
前のページへ次のページへ
カテゴリ
バックナンバー