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カワバタモロコ

2020.04.12 (日)

堀江真

こんにちは。

感染症対策で、たくさんの方が不安で不自由な日々を過ごされていると思います。

はやく日常が取り戻せるとよいですね。

 

 

さて、4月になりました。

春真っ盛り。

当館のバックヤードではカワバタモロコが繁殖期を迎えています。

 

カワバタモロコは、オスとメスで大きさが違います。

大きいほうがメス、小さいほうがオスです。

 

 

繁殖期には明らかにメスのお腹がふくらみますし、普段は銀色っぽいのですが、オスには金色の婚姻色がでて、なんかいつもと違う。

やる気を感じるぞ!

となったら繁殖期です。

 

ということで、キンランと呼ばれる人工産卵藻を水槽に入れておきました。

 

翌日キンランに卵がついていないか、よーく見てみると、

ありました。

 

その翌日。

ちなみに卵の大きさは1.0mmで、日本のコイ科魚類の中で、もっとも小さい卵なんだそう。

 

 

孵化したばかりの仔魚はこんなふう。

「田んぼと用水路の生き物」水槽と、

「岐阜県の希少淡水魚」コーナーに展示するのと、

再来年の親用に、200匹ぐらい育てようと思っています。

 

 

ところで、このカワバタモロコ。

2月に「種の保存法」により特定第二種国内希少野生動物種に指定されました。

これは「商用目的で捕獲、譲渡してはいけません!」ということです。

同時にタガメも指定され、ニュースで取り上げられていたので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。

 

特定第ニ種は、「生息・生育の環境が良好に維持されていれば、繁殖による速やかな個体数の増加が見込まれる(※環境省HPより抜粋)」という位置付けです。

 

カワバタモロコは、体は小さいですが病気になることもほとんどなく、

仔稚魚も問題なく育つ丈夫な魚です。

特定第二種国内希少野生動物種に指定されたことで、生息・生育の環境が良好に維持されれば、きっとまたたくさん見られるようになると思います。

 

がんばれカワバタモロコ!

 

 

 

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カテゴリー  日本の淡水魚
キーワード 堀江真
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