世界淡水魚園水族館 アクア・トトぎふ

おもしろ飼育コラム一覧
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油膜取り装置にいた魚

2020.04.01 (水)

田上

2Fコンゴ川下流の魚の展示水槽には、定期的なフガフガでおなじみゴライアスタイガーフィッシュをはじめとして、木製バットみたいなポリプテルス・コンギクス、性格が超悪いクラウンテトラなど、いかつい大型魚が展示されています。

 

さらに最近、ナイルパーチの展示も復活しました。個人的激アツ水槽です。

 

これらの魚たちはいわゆる肉食魚。餌としてアジやサバを中心に与えています。

そのため、餌やり後は水面に油膜がはって見苦しい状態になります。それを防ぐ為、このような簡易的な油膜取り装置を水槽の奥に設置しています。

 

このバケツの中にはスポンジフィルターが設置されていて、油膜を除去します。

 

定期的に清掃しているのですが、一月ほど前にこのフィルターの中から小さな魚が発見されました。

 

こ、これは!!!

オーネイトキャットの幼魚!!!

(種名板は学名のオーケノグラニス・オキシデンタリスと書いてますが、言いにくいし書きにくいので一般的に使用されているオーネイトキャットでお許しを。)

 

 

オーネイトキャットはこの殺伐とした水槽の中で唯一、平和&友好的な感じの魚です。この異彩を放つ特徴的な口は、来館者の皆様の目を引く人気者でもあります。たぶん。

 

まさかこのオーネイトキャットが水槽内で繁殖していたとは驚きです…。孵化後、他の魚に襲われずに水面に上がった個体が、奇跡的に油膜取りに引っかかったと思われます。そんなミラクル魚が2匹もいました。

 

本種は砂底に1.2~3.8mもの大きな巣を作り、その中に卵を産みます。そしてオスが子育てをするとのことですが、そんなシーンは全く見かけませんでした。

 

いや、見かけないというか正直気にしていなかったというべきか。

今までオーネイトキャットのことを全く気にかけていなかったくせに、こういうことがあるとキャーキャー言ってしまうミーハーな私。

早速、巣の痕跡みたいなものや、他にも幼魚いないか、水槽に潜ってみました。

 

 

が、残念ながらオーネイトキャットは見つからず。

 

でもゴライアスタイガーフィッシュの歯を2本拾いました。これはこれで超うれしい。

 

 

ミラクルなオーネイトキャットたちは、現在全長3~4㎝まで成長しています。

ですが、親たちがいる水槽にデビューできるまでには何年かかるんでしょうか…。気長に育てていきたいと思います。

 

 

あとはどこでどんな風に産卵したのか、今後はちゃんとチェックしておきたいと思います。

今回は勝手に繁殖しただけで、飼育技術もへったくれもないのですが、まぁ、やっぱりうれしいですね。

 

 

 

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カテゴリー  アクア・トトの生き物
キーワード 田上
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